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JAMA誌から
プロバイオティクスで抗菌薬関連の下痢症がほぼ半減
82件の研究をメタ分析

 抗菌薬投与時にプロバイオティクスを併用すると、抗菌薬関連の下痢症の相対リスクがほぼ半減することが、系統的レビューとメタ分析で明らかになった。米Southern California Evidence-Based Practice CenterのSusanne Hempel氏らが、JAMA誌2012年5月9日号に報告した。

 抗菌薬投与により下痢を起こす患者は多く、服薬遵守率を低下させる原因にもなっている。プロバイオティクスとは、経口摂取した場合に健康に利益をもたらす微生物を言う。その用途の1つとして、抗菌薬の有害事象として現れる下痢の予防や治療が挙げられており、実際に、小児や成人の抗菌薬関連下痢症のリスクを低下させると報告した研究がいくつかある。

 著者らは、プロバイオティクスとシンバイオティクス(プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせたもの。プレバイオティクスは、腸内の有用菌を増殖させる働きのある食品由来の非消化性成分)について、抗菌薬関連下痢症の予防と治療における有用性を評価するために、最新の無作為化試験も含めた系統的レビューとメタ分析を実施した。

 文献データベース(DARE、コクランシステマティックレビューライブラリ、CENTRAL、PubMed、EMBASE、CINAHL、AMED、MANTIS、TOXLINE、ToxFILE、NTIS、AGRICOLA)に12年2月までに登録されていた研究の中から、抗菌薬関連下痢症の治療または予防を目的とした無作為化試験で、介入群にプロバイオティクス(Lactobacillus、Bifidobacterium、Saccharomyces、Streptococcus、EnterococcusとBacillusのいずれかまたは両方)を使用し、対照群にはプロバイオティクスなし、偽薬、別のプロバイオティクス、異なる用量のプロバイオティクスなどを用いていた研究を選んだ。プロバイオティクスを抗菌薬の効果を高める目的(H. pyloriの除菌など)で併用していた研究についても、下痢症の発生率が報告されていた場合には分析対象に含めた。

 82件の無作為化試験が条件を満たした。52件の研究が成人を対象としており、抗菌薬投与の目的として最も多かったのはH. pylori除菌だった(24件)。用いられていた抗菌薬としては、アモキシシリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシンなどの単剤投与が16件で、それ以外は複数の抗菌薬を使用していたか、抗菌薬名の記述がなかった。

 プロバイオティクスとしては、57件がLactobacillusを用いており、Bifidobacterium(32件)など他のプロバイオティクスと併用していた研究もあった。Enterococcus、Streptococcus、Bacillusを用いた研究はほとんどなかった。41件は、用いた菌の属名と種名は記述していたが、株名は記載していなかった。

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