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JAMA誌から
薬物療法抵抗性の側頭葉てんかんに早期手術が有効
痙攣発作が減りQOLが改善、無作為化試験ERSETの結果

 抗てんかん薬2剤を投与しても反応しないてんかん患者に対して、薬物療法に加えて早期に手術を行うと、薬物療法のみを継続した場合よりも痙攣発作を大きく減らし、てんかん特異的QOLの改善をもたらすことが、無作為化試験で明らかになった。米California大学Los Angeles校のJerome Engel Jr氏らが、JAMA誌2012年3月7日号に報告した。

 てんかんの世界的な有病率は人口の1%程度と考えられており、患者の20~40%は薬物療法に反応しない。抗てんかん薬が奏効しない患者には側頭葉てんかんが多く、外科的治療が有効と報告されている。にもかかわらず、手術の適用は「最後の手段」のように考えられており、患者が外科に紹介される時期は発症から平均22年間後、という報告さえある。

 てんかんの薬物療法抵抗性の国際的な基準は、「抗てんかん薬2剤に反応しないこと」となっており、その時点で手術を行えば、障害は軽度で済み、早すぎる死を免れることができるのではないかと考えた著者らは、米国立神経疾患脳卒中研究所(NINDS)の資金を得て、米国内の外科的てんかん治療センター16施設で、多施設無作為化試験ERSETを実施した。

 12歳以上の内側側頭葉てんかん患者の中から、抗てんかん薬2剤が適切に使用されて2年未満で、日常生活に支障を来す発作が続いている人々を選んだ。このうち、通常行われる術前評価により前内側側頭葉切除術(AMTR)の適応になることが確認できた38人(18人が男性)を登録した。

 登録した患者を無作為に、抗てんかん薬治療を継続(薬物療法群、23人、平均年齢30.9歳、男性が60.9%、てんかん歴は5.3年)またはAMTR+抗てんかん薬(手術群、15人、37.5歳、男性は26.7%、てんかん歴5.2年)に割り付け、2年間追跡した。両群には、米国のてんかん治療施設で広く用いられている薬物治療方針をそのまま用いた。

 薬物療法群の7人は、追跡期間中にAMTRを受けていた。一方で手術群の1人は追跡終了までにAMTRを受けなかった。

 当初は200人の患者を登録する予定だったが、患者登録が予定通りに進まなかったため、試験は早期に中止された。

 主要転帰評価指標は、割り付けから2年目の、日常生活に支障をもたらす痙攣発作からの解放とした。日常生活に支障を来す発作の定義は、「発作時に意識はあるが、周囲が発作に気づくまたは身体機能を妨げる単純部分発作」、「意識障害がある複雑部分発作」、または「二次性全般化発作」とし、患者のてんかん記録を基に有無を判断した。

 2次評価指標は、QOL(てんかん特異的なQOL指標であるQOLIE-89〔高スコアほど良好〕の2年間の変化)と、認知機能などに設定した。

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