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JAMA誌から
心筋梗塞で入院する女性は胸痛の訴え少なく死亡リスク高い
若いほど性差は顕著

 心筋梗塞で入院した患者では、同年代の男性に比べ、女性の方が受診時に胸痛を訴えない割合が高く、胸痛がなかった男性に比べ胸痛がなかった女性では院内死亡リスクが高いことが明らかになった。この性差は年齢が若いほど顕著だった。米Watson Clinic and Lakeland Regional Medical CenterのJohn G. Canto氏らが、JAMA誌2012年2月22/29日号に報告した。

 心筋梗塞は、適切に診断し速やかに治療を行えるかどうかが、転帰に大きな影響を与える。胸痛と胸部不快感は心筋梗塞の典型的な症状だが、実際には胸痛のない心筋梗塞が少なからず発生している。そうした患者は受診が遅れる傾向があり、より典型的な症状を呈した患者に比べ、短期的な死亡率は約2倍になるという報告もある。

 著者らは、年齢が低い女性の心筋梗塞患者は死亡率が高いことや、男性に比べ女性の方が心筋梗塞で入院する年齢が高いことに着目。これらの性差に胸痛や胸部不快感といった臨床症状の有無が関係しているのではないかと考えた。だが、これまでに行われた、心筋梗塞患者の臨床像と死亡率における性差を調べる研究のほとんどは、年齢を考慮していなかった。

 そこで著者らは、心筋梗塞で入院した患者を登録した世界最大規模のデータベースを利用し、年齢を考慮に入れて、性別と症状の関係、性別と症状と院内死亡の関係を調べる観察研究を行った。

 民間からの資金で運営されている米心筋梗塞登録(National Resistry of Myocardical Infarction; NRMI)に、1994~2006年に登録された人々のうち、再発患者などを除いた114万3513人(男性66万1932人、女性48万1581人)を分析対象にした。

 心筋梗塞によって入院することになった患者の受診時の年齢を男女間で比較すると、男性は66.5歳、女性は73.9歳で、やはり女性の方が有意に高かった(P<0.001)。

 受診時に胸痛/胸部不快感を訴えなかった心筋梗塞患者は、全体の35.4%。女性では42.0%(95%信頼区間41.8-42.1%)、男性では30.7%(30.6-30.8%)で、有意な性差が見られた(P<0.001)。胸痛があった患者に比べ、胸痛がなかった患者では、再灌流療法が適切なタイミングで実施される可能性が低かった(P<0.001)。

 受診時の胸痛の有無と年齢、性別の関係は有意だった。発症時の年齢が低いほど胸痛の有無の性差は大きく、高齢になるにつれて差は小さくなった。同年代の男性を参照群とし、「胸痛のない心筋梗塞」の多変量調整オッズ比を女性について求めたところ、45歳未満では1.30(1.23-1.36)、45~54歳では1.26(1.22-1.30)、55~64歳では1.24(1.21-1.27)、65~74歳では1.13(1.11-1.15)、75歳以上は1.03(1.02-1.04)になった(傾向性のP<0.001)。

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