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JAMA誌から
胃食道逆流症状のない小児喘息へのPPI投与は無益
上気道感染など有害事象のみが増加、306人を対象とした無作為化試験の結果

 吸入ステロイド療法を用いても十分にコントロールできない小児喘息患者にプロトンポンプ阻害薬PPI)のランソプラゾールを投与しても、喘息症状の改善は得られず、上気道感染などの有害事象のリスクが有意に上昇することが、米国で行われた二重盲検の無作為化試験で明らかになった。米Johns Hopkins Center for Clinical TrialsのJanet T. Holbrook氏らが、JAMA誌2012年1月25日号に報告した。

 喘息の小児には、無症候性の胃食道逆流GER)が多く見られる。吸入ステロイド療法による喘息管理が適切に行えない患者では、未治療のまま放置されているGERが管理不良の原因の1つになっているのではないかと考えられており、実際に小児喘息患者へのPPI投与が増えている。だが、PPIが喘息管理向上をもたらすのかどうかを適切に評価した研究はこれまでなかった。

 著者らは、GERの症状は見られないが管理不良の小児喘息患者にランソプラゾールを投与して、喘息症状が改善するかどうかを明らかにするため、無作為化試験を実施した。

 07年4月から10年9月まで、米肺協会喘息臨床研究センターの19施設で、吸入ステロイドを使用していても管理不良の6歳から17歳の喘息患児306人(平均年齢11歳)を登録し、ランソプラゾール(体重が30kg未満なら15mg/日、30kg以上なら30mg/日、149人)または偽薬(157人)に割り付けて24週間追跡した。一部の小児については、割り付け前に24時間食道pH測定を行った。

 主要アウトカム評価指標は、24週時の喘息管理質問票(ACQ)スコアに設定。2次評価指標は肺機能を示す測定値、喘息関連QOL、管理不良エピソードなどに設定した。ACQは0~6のスコアで評価し、スコアが高いほど管理不良。0.5ポイントの変化が臨床的に意義があるレベルと判断される。管理不良エピソードは、「朝のピークフロー値がランイン期間に測定した自己最高値を30%超下回る日が2日続いた場合」「ステロイドの経口投与を追加した場合」「喘息症状による予定外の受診が必要だった場合」のいずれかとした。

 ACQスコアのベースラインから24週時までの変化の平均は、ランソプラゾール群が-0.1ポイント(95%信頼区間-0.2から0.1ポイント)、偽薬群が-0.2ポイント(-0.4から-0.1ポイント)で、両群間の差は0.2ポイント(0.0から0.3ポイント、P=0.12)と、有意ではなかった。

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