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JAMA誌から
死産の主な原因は妊娠の合併症と胎盤の異常
512人の死産児の病理解剖で判明

 死産の原因として多いのは、妊娠の合併症と胎盤の異常であること、原因解明に有用なのは胎盤の組織学的検査、病理解剖、核型検査であることが、米国で行われた512人の死産児についての詳細な検討で明らかになった。The Stillbirth Collaborative Research Network Writing Groupのメンバーである米ユタ大学医学部のRobert M. Silver氏らが、JAMA誌2011年12月14日号に報告した。

 先進国でも死産率を大きく減らすことは難しい。米国の死産(妊娠20週以降)の発生率は、妊娠160回に1回で、他の先進国に比べて発生率が高い状態が過去10年間続いている。人種間の死産率には有意な差が認められているが、その理由は説明できていない。

 死産を回避するための介入法を考案するためには、死産の原因を知る必要がある。そこで米Eunice Kennedy Shriver国立小児保健発達研究所(NICHD)は、この問題に取り組むためにThe Stillbirth Collaborative Research Network(SCRN)を設置した。SCRNは死産と生産の母子を比較するケースコントロール研究を行っており、著者らは今回、対象となったケースの中から死産した女性500人の同意を得て512人の死産児を病理解剖し、6~7割の死因を同定することに成功した。

 この住民ベースの前向きケースコントロール研究は、06年3月から08年9月まで行われた。州と郡の境界線で区切られる5地域(それぞれロードアイランド州、マサチューセッツ州、ジョージア州、テキサス州、ユタ州の一部地域)を管轄する3次医療施設と地域の病院、計59施設(年間分娩件数は8万件超)で出産した女性の中から、ケースとコントロールを選んだ。

 死産は、「1分後と5分後のアプガースコアが0、直接観察により生命徴候なし」と定義し、妊娠20週以降の全ての死産例を分析対象にした。人工妊娠中絶は除外した。

 今回は、死産児について、医療歴、胎児の剖検結果、胎盤の病理検査結果、核型検査の結果、生化学的検査値などを利用して系統的な死因の評価を行った。対象期間中に死産した女性953人のうち663人(69.6%)を登録、うち500人(75.4%、平均年齢27.4歳)が、死亡した512人の胎児の完全な病理解剖に同意した。

 死産児の約3分の1に相当する160人(31.3%)の胎児が妊娠20~23週で死産となり、28週未満の死産は259人(50.6%)だった。分娩中の死産は87人で、うち73人(83.9%)が妊娠24週未満で死亡していた。分娩前の死産は425人だった。

 直接の死因をほぼ同定(probable cause)できた死産児は312人(60.9%、95%信頼区間56.5-65.2%)、直接の死因ではないが死に結びついたと考えられる要因(possible cause)が見付かった死産児を加えると、390人(76.2%、95%信頼区間72.2-79.8%)になった。

 死因は以下のように分類した。胎盤の異常、妊娠の合併症(頸管不全症、胎盤早期剥離、早産、前期破水)、胎児の形態的異常と遺伝的異常のいずれかまたは両方、胎児または胎盤の感染もしくは母親の全身性の重症感染症、母親の糖尿病や抗リン脂質抗体症候群、母親の高血圧(慢性高血圧と子癇前症)、臍帯の異常(臍帯脱、臍帯狭窄、臍帯血栓症)、その他の疾患(胎児水腫、早期羊膜裂傷続発症など)。

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