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JAMA誌から
1週間にグラス3~6杯のワインでも乳癌リスクは上昇

 1日のアルコール摂取量が5.0~9.9g以上になると乳癌のリスクが有意に上昇し、若い時代(40歳まで)の飲酒と中年期(40歳以降)の飲酒はそれぞれ独立した乳癌の危険因子であることが、米Harvard大学医学部のWendy Y. Chen氏らが行った前向き観察研究で明らかになった。論文は、JAMA誌2011年11月2日号に掲載された。

 様々な研究が飲酒と乳癌の関連を報告しているが、飲酒量が少ない場合にも乳癌リスクが上昇するのかどうかは明らかではなかった。また、飲酒のパターンは年齢を重ねるにつれて変化することが多いにもかかわらず、日常的な飲酒パターン(飲酒の頻度や大量飲酒の有無など)や成人後の様々な年代での飲酒と乳癌の関係を分析した研究はこれまでほとんどなかった。

 著者らは、Nurses’Health Studyに登録された10万5986人の女性を1980年から2008年6月まで追跡し、飲酒量や飲酒パターンと乳癌の関係を調べた。80年の時点で調査を受けた女性の年齢は34歳から59歳の間だった。

 現在と過去1年間の飲酒に関する調査は80年、84年、86年、それ以降は4年ごとに06年まで計8回行った。摂取しているアルコール飲料の種類と摂取量を尋ね、80年から最新の調査時点までの各回の調査で得られた1日の飲酒量(アルコール換算)の平均を求めて累積平均飲酒量(g/日)とした。その値に基づいて、対象者を5群(0g/日、0.1~4.9g/日、5~9.9g/日、10~19.9g/日、20g/日以上)に層別化した。

 また、88年以降の調査時に、18~22歳、25~30歳、35~40歳という3通りの年代の1週間の平均的な飲酒量を尋ねて、18歳から40歳までの平均飲酒量を推定し、若い時代の飲酒量とした。さらに40歳以上の飲酒量を調査結果から求めて中年以降の飲酒量とした。

 主要アウトカム評価指標は、浸潤性乳癌の相対リスクに設定。80年以降の累積平均飲酒量を用いて、年齢、調査年度、月経開始年と閉経年、一親等の家族の乳癌歴、良性乳房疾患、BMI、経産回数、初回の満期産時の年齢、ホルモン補充療法、授乳期間、喫煙で調整して相対リスクを求めた。

 240万人-年の追跡で、7690例の浸潤性乳癌が発生した。飲酒量の増加は乳癌リスクの上昇と関係していた。乳癌罹患は、累積平均飲酒量0g/日群では1万8967人中1669人、0.1~4.9g/日群では3万7700人中3143人、5~9.9g/日群では1万1559人中1063人、10~19.9g/日群が1万212人中1091人、20g日以上が6192人中724人(うち362人は30g/日以上の飲酒者)だった。

 10万人-年当たりの罹患率は、0g/日群が281、0.1~4.9g/日群が309、5~9.9g/日群は333、10~19.9g/日群は351、20~29.9g/日群は356、30g/日以上群が413になり、0g/日グループを参照群とする調整相対リスクは、それぞれ1.06(95%信頼区間0.99-1.12)、1.15(1.06-1.24)、1.22(1.13-1.32)、1.20(1.07-1.35)、1.51(1.35-1.70)となった。1日の飲酒量が10g増加当たりの相対リスク上昇は1.10(1.07-1.12)になった。

 上記のように、統計学的に有意なリスク上昇は1日当たり5.0~9.9g(1週間当たりにするとワインならばグラスで3~6杯)以上の飲酒群に認められた(相対リスクは1.15)。1日に30g以上の飲酒(毎日ワインをグラス2杯以上)を続けていた女性では相対リスクは1.51と高かった。

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