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JAMA誌から
臓器移植患者は癌リスクが2倍に上昇
特定の臓器と癌ではさらに高いリスクの関係も

 固形臓器の移植を受けた患者は、あらゆるのリスクが2倍になるほか、特定の臓器の移植を受けた患者で特定の癌のリスクが著しく上昇することが、コホート研究で明らかになった。米国立癌研究所のEric A. Engels氏らが、JAMA誌2011年11月2日号に報告した。

 固形臓器の移植を受けた患者の癌リスクは、一般の人々の2~4倍になることが知られている。移植後の患者は免疫抑制治療を受けており、癌ウイルスに感染しやすい状態が続くため、エプスタインバールウイルス感染によるホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫、ヒトヘルペスウイルス8型の感染に起因するカポジ肉腫、C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスによる肝臓癌などのリスクが高くなる。加えて、ウイルス感染とは無関係な肺癌腎臓癌、皮膚癌、甲状腺癌などの罹患も増加することが知られているが、これらの情報の多くは腎移植を受けた患者を分析した結果に由来している。

 著者らは、より大規模な研究を行えば、様々な臓器の移植を受けた患者の癌のリスクを把握できるはずだと考え、米国の移植患者登録と13の州・地域の癌登録のデータを関連付けて分析するコホート研究Transplant Cancer Match Studyを行った。

 主要アウトカム評価指標は、一般集団と比較した相対リスクを示す標準化罹患比(年齢調整した罹患率の比;SIR)と絶対リスクを示す過剰絶対リスク(移植を受けた集団の絶対リスクから移植を受けていない集団の絶対リスクを引いたもの;EAR)に設定した。

 1987年から2008年に臓器移植を受けた患者17万5732人のデータが得られた。58%が腎移植、22%が肝移植、10%が心臓移植、4%が肺移植を受けていた。

 それらの患者のうち、癌罹患は1万656例で、10万人-年当たりの罹患率は1375、SIRは2.10(95%信頼区間2.06-2.14)だった。EARは10万人-年当たり719.3(693.3-745.6)になった。

 感染関連の癌のSIRsは、子宮頸癌、鼻咽腔癌、膣癌を除いてすべて有意に上昇していた(P<0.001)。

 感染が関係しない癌では、肺、腎臓、大腸、甲状腺、膀胱、口腔、咽頭、皮膚、膵臓、口唇、食道、喉頭、軟部組織、唾液腺、小腸、睾丸、肝内胆管、眼などの固形癌と血液癌のリスクが有意に上昇していた。一方で、乳癌、前立腺癌、慢性リンパ性白血病のリスクは有意に低下していた。

 著者らは、一般集団に比べてリスクが高かった上位4つの癌(非ホジキンリンパ腫、肝臓癌、肺癌、腎臓癌)についてさらに分析を進めた。

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