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JAMA誌から
肺癌スクリーニング用のCT像でCOPD早期発見が可能

 CTを用いた肺癌スクリーニングで得られた画像を、慢性閉塞性肺疾患COPD)の早期発見に利用できる可能性が、オランダUtrecht大学のOnno M. Mets氏らが行った前向き研究によって示された。CT画像の自動分析によって得られたデータで、肺機能検査によってCOPDと診断された患者の63%を同定できたという。論文は、JAMA誌2011年10月26日号に掲載された。

 喫煙は癌とCOPDの主要な危険因子だ。COPD患者に早い段階で強力な介入を行えば転帰は改善するが、早期発見は難しい。そこで著者らは、肺癌スクリーニングに関する臨床試験(Dutch and Belgian Lung Cancer Screening Trial)に参加した、現在または過去のヘビースモーカーから得られた情報を分析した。

 この肺癌スクリーニングの臨床試験は、単一施設で、50~75歳の現在または過去(禁煙して10年以内)の喫煙者で、16.5pack-yearsを超える喫煙歴がある人々を登録していた。なお、pack-yearは、1日に喫煙するたばこの平均箱数(1箱20本入り)×喫煙年数で算出する。「16.5pack-yearsを超える」という条件には、1日に16本以上のたばこを25年以上、1日に11本以上のたばこを30年以上などが該当する。

 07年7月から08年9月までに、気管支拡張薬投与前の肺機能検査と低線量ヘリカルCTスキャンが同日中に行われた1140人(平均年齢62.5歳、喫煙量の中央値は38pack-years)の男性について分析した。CTスキャンは、通常の吸気相に加えて呼気相でも行った。

 ベースラインの年齢、BMI、喫煙歴、自己申告による呼吸器症状、医師の診断による肺気腫または気管支炎に関する情報を得た。

 肺機能検査に基づくCOPDの診断は、「1秒量(FEV1)と努力肺活量(FVC)の比(FEV1/FVC;1秒率)が70%未満」を指標に行った。

 CTによるCOPD診断に関係する要因の候補として、CT画像上の肺気腫(CT値が-950ハンスフィールド単位〔HU〕未満のボクセルの割合)と、CT画像上のエアートラッピング(空気とらえ込み;呼気相と吸気相の平均肺野濃度の比)などについて評価し、患者特性も含めて、COPDとの間に独立した関係を示す要因を、ロジスティック回帰モデルを用いて同定した。有意な関係が認められた要因を組み込んで、COPD診断用気流制限予測モデルを作成した。

 主要アウトカム評価指標は、肺機能検査の結果を参照にした場合のCTによるCOPD診断の精度に設定された。

 1140人のうち、現在喫煙者は609人、過去の喫煙者が531人だった。呼吸器症状の有無に関する自己申告の内容が入手できたのは1085人で、症状ありは566人だった。医師から肺気腫と診断されていた患者は41人(3.6%)、気管支炎の診断を受けていたのは93人(8.2%)、ベースラインの肺機能検査の結果に基づいてCOPDと判定された患者は437人(38%)だった。

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