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JAMA誌から
妊娠の4週間前からの葉酸摂取で言語発達遅延リスクが半減
出生児の3歳時点での評価、ノルウェーでの前向き観察研究

 妊娠の4週間前から妊娠8週までの葉酸サプリメント摂取によって、出生児の3歳時点の重度言語発達遅延のリスクが半減することが、ノルウェー公衆衛生研究所のChristine Roth氏らが行った前向き観察研究で分かった。論文は、JAMA誌2011年10月12日号に掲載された。

 妊娠前後の葉酸摂取は神経管欠損症リスクを低減することが知られている。加えて、神経発達にも利益をもたらす可能性があるが、出生児の発達への影響を調べた研究はこれまでなかった。

 ノルウェーは米国と異なり、葉酸強化食品が市販されていないため、母親の葉酸サプリメントの摂取の有無を調べれば胎児の曝露状況が判断できる。著者らは、妊婦の葉酸サプリの使用と、生まれた子どもが3歳になった時点の重度の言語発達遅延の関係を調べる前向き観察研究MoBaを実施した。

 1999年から妊婦の登録を開始。08年より前に出生し、10年6月16日までに生後3年時の調査に回答した母親とその子を分析対象とした。

 母親には、妊娠17週の時点で、妊娠の4週間前の時点からの葉酸と他のサプリメントの使用の有無を4週間単位で尋ねた。妊娠4週間前から妊娠8週までの期間に葉酸使用があった妊婦の子どもを曝露群とした。

 主要アウトカム評価指標は、3歳時点の小児の言語能力とし、6ポイントのordinal language grammer scale(「1語も発せず」から「文法的に正しい完全な文章を作れる」まで)を用いた評価を母親に依頼した。表出言語が最低レベル(発するのは1語のみ、または、不鮮明な発声のみ)のケースを「重度言語発達遅延」とし、2~3語からなる不完全な表現しかできない小児を「中等度言語発達遅延」に分類し、それ以上の言語能力を持つ小児は「言語発達正常」とした。

 2次エンドポイントは、粗大運動(歩くなどの全身運動)能力の発達の遅れに設定。こちらも質問票を用いて母親に評価を依頼した。葉酸曝露が重度言語発達遅延との間に有意な関係を示す一方で、運動能力の発達とは無関係であれば、言語発達と葉酸曝露の関係に特異性があると考えられるからだ。

 交絡因子として、母親の学歴、妊娠前の母親のBMI、経産回数、配偶者の有無で調整し、ロジスティック回帰モデルを用いてオッズ比を求めた。

 3歳時点で母親から質問票に対する回答が得られたのは4万4220人(登録者の61%)の小児。以下のいずれかの条件を満たす小児は除外した:多胎、妊娠32週より前に出生、出生体重が2500g未満、聴覚障害あり、染色体異常や他の重症疾患で一言も話せない、など。

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