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JAMA誌から
薬物療法で不十分な小児強迫性障害に認知行動療法が有効

 薬物治療に十分に反応しない強迫性障害小児患者に対し、この疾患に特異的な認知行動療法CBT)を追加すると、症状が有意に改善することが、米Pennsylvania大学のMartin E. Franklin氏らが行った無作為化試験で明らかになった。論文は、JAMA誌2011年9月21日号に掲載された。

 強迫性障害の有病率は最高で50人当たり1人といわれるほど多く、年齢にかかわらず発生する。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)などを用いた薬物療法と認知行動療法(曝露・反応妨害法)の有効性は、それぞれ無作為化試験によって示されている。しかし、広く行われている薬物療法のみでは十分な症状改善が得られないことが多い。

 成人患者では、薬物療法と認知行動療法の併用の有効性が示されているが、小児患者に対するこれらの併用の影響は明らかではなかった。そこで著者らは、小児患者を対象に、薬物療法に認知行動療法もしくは認知行動療法に関する指導を追加した場合の影響を調べるPOTS II 試験を実施した。

 04~09年に米国内の3つの大学病院で、12週間の無作為化試験を実施した。7~17歳の強迫性障害患者で、外来を受診しており、適切な薬物療法を受けていてもCY-BOCSスコア(小児のための強迫性障害評価尺度)が16以上の124人を登録した。CY-BOCSスコアの合計は0~40で、16以上は中等症以上であることを示す。

 124人を、以下の3通りの治療戦略のいずれかに割り付けた。(1)薬物療法のみ(薬物療法群、42人、12週間に7回受診、1回に付き約35分)(2)薬物療法+認知行動療法(CBT併用群、42人、薬物療法のための受診7回に加えて、1時間の認知行動療法セッションを14回実施。うち8回は認知行動療法をその場で実践した。毎回宿題も与えた)、(3)薬物療法+認知行動療法の指導(CBT指導併用群、42人、薬物療法のための7回の受診時に、薬物療法に加えて認知行動療法の実践方法を45分かけて教え、家庭で行うよう指示し、宿題も与えた)。CBT併用群、CBT指導併用群のいずれも、実際に認知行動療法を担当したのは、この試験のために訓練を受けた心理学者などだった(小児強迫性障害に対する認知行動療法の専門家が少ないため)。

 主要アウトカム評価指標は、12週の間にベースラインのCY-BOCSスコアから30%以上改善した、すなわち、治療に反応したとみなされる患者の割合に設定。2次アウトカム評価指標として、NIMH包括的強迫性障害尺度(NIMH-GOCS)を指標とする改善なども評価した。分析はintention-to-treatで行った。

 全員が、SSRIsの投与を受けていた患者で、登録前の使用期間の平均は74.9週だった。

 CBT併用群の患者は平均12.5回のセッションを受けていた。CBT指導併用群は平均6.0回のセッションを完了していた。薬物療法群の受診回数の平均は6.48回だった。

 12週時のCY-BOCSのスコアの平均は、CBT併用群が14.23、CBT指導併用群が20.05、薬物療法群が21.35だった。

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