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JAMA誌から
睡眠時呼吸障害のある高齢女性は5年以内の認知機能低下リスクが2倍
睡眠の質よりも低酸素状態が原因か

 睡眠時呼吸障害が認められる高齢女性は、その後約5年のうちに認知機能の低下を経験するリスクが、睡眠時呼吸障害のない高齢女性の約2倍になることが、米California大学San Francisco校のKristine Yaffe氏らの前向きコホート研究で明らかになった。論文は、JAMA誌2011年8月10日号に掲載された。

 睡眠時呼吸障害(SDB)は、睡眠から何度も目覚めることと断続的な低酸素症を特徴とし、高齢者に広く見られる。SDBは高血圧や心血管疾患、糖尿病などと関係があることを示す報告が複数存在するほか、SDBと認知機能低下を関連付けた研究もある。だが、質の高い研究は行われておらず、SDBが認知機能障害の予測因子になるかどうかは明らかではなかった。そこで著者らは、高齢女性におけるSDBと認知機能障害の関係を調べることにした。

 骨粗鬆症性骨折に関する多施設コホート研究に登録された、介助なしで歩行可能な地域在住の高齢女性の中から、02年1月から04年4月までの間に終夜睡眠ポリグラフ検査を受け、認知機能の評価で認知症が否定された人々を選んで追跡した。

 認知機能は、短縮版MMSEとTrail Making TestのパートBを用いて評価した。SDBは、終夜睡眠ポリグラフ検査で睡眠中の無呼吸+低酸素症イベントが1時間当たり15回以上発生した場合と定義した。
  
 追跡期間中は、受診ごとに、短縮版MMSE、Trail Making TestのパートBに加えて、California Verbal Learning Test-II(CVLT-II)、Digit Span、Verbal Fluency Test (VFT)、Category Fluency Test (CFT)を用いて認知機能を評価した。

 主要アウトカム評価指標は、06年11月から08年9月までの間に評価した認知機能の状態(正常、認知症、軽度認知障害)に設定。SDBと軽度認知障害または認知症のリスクの関係は、年齢、人種、BMI、学歴、喫煙歴、糖尿病の有無、高血圧の有無、薬剤の使用(抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系薬、非ベンゾジアゼピン系抗不安薬)で調整し、多変量ロジスティック回帰分析を行った。

 条件を満たした298人(平均年齢82.3歳、白人が90.3%)を4.7年(中央値)追跡した。

 全体では、ベースラインの1時間当たりの無呼吸+低酸素症イベントは10.0回、酸素飽和度の低下イベント(3%以上低下した場合とした)は1時間当たり14.5回だった。298人中105人(35.2%)がSDBと判定された。

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