日経メディカルのロゴ画像

JAMA誌から
CA-125と超音波による卵巣癌スクリーニングに利益なし

 血清中の癌抗原CA-125の測定と経膣超音波検査を併用する年1回の卵巣癌スクリーニングには、卵巣癌の早期発見も卵巣癌死亡率低減も期待できないことが、無作為化試験で明らかになった。米Utah大学Health Sciences CenterのSaundra S. Buys氏らが、JAMA誌2011年6月8日号に報告した。

 卵巣癌は特徴的な症状が現れにくいため、診断の時点で既に進行している患者が多い。進行卵巣癌患者の5年生存率は30%と低いが、癌が卵巣内に留まる段階で発見されれば92%と高い。スクリーニングによる早期発見が可能であれば、卵巣癌の転帰は大きく向上すると期待されている。

 著者らは、無作為化試験Prostate, Lung, Colorectal and Ovarian(PLCO)Cancer Screening Trialの中で、卵巣癌スクリーニングが卵巣癌死亡に及ぼす影響を調べた。

 1993年11月から01年7月まで、米国内10カ所のスクリーニングセンターで、55~74歳の女性7万8216人を登録、年1回のスクリーニング(3万9105人、介入群)または通常のケア(3万9111人、対照群)に割り付けた。

 介入群には、ベースラインでCA-125検査と経膣超音波検査を実施し、その後3年間は年1回CA-125検査と経膣超音波検査を、続く2年間は年1回CA-125検査を行った。

 CA-125は35U/mL以上を「異常」と判定。経膣超音波検査では、(1)卵巣容積が10cm3超、(2)嚢胞の容積が10cm3超、(3)嚢胞性卵巣腫瘍の腔(サイズを問わない)に充実性領域または乳頭状突起の広がりが見られる、(4)嚢胞性卵巣腫瘍内に充実性の成分と嚢胞性の成分の両方が見られる―のいずれかが認められた場合を「異常」とした。得られた結果は患者とかかりつけ医に提供して、その後に行われた検査と診断、治療の内容の報告を受けた。

 スクリーニングによって発見された卵巣癌は、上記の検査で異常と判定され、その後9カ月以内の診断検査により癌と判定されたケースと定義した。スクリーニングにより卵巣癌が疑われたが、その後の検査で否定されたケースは偽陽性とした。陰性判定を得たスクリーニングから12カ月以内に診断された卵巣癌は中間期癌(検診と検診の間に診断された癌)とした。

 癌の診断と死亡に関する追跡は10年2月28日まで、最大で13年間行った(中央値12.4年)。

 主要エンドポイントは卵巣癌(原発性腹膜癌と卵管癌を含む)による死亡とし、2次エンドポイントは卵巣癌罹患、診断時の病期、スクリーニングの害(スクリーニング自体の有害事象、続いて行われた診断検査の合併症)などに設定。

 毎回のスクリーニングにおける陽性率は、CA-125検査が1.4%から1.8%、経膣超音波検査は2.9%から4.6%だった。

 卵巣癌と診断された患者は、介入群が212人(1万人・年当たり5.7)、対照群が176人(1万人・年当たり4.7)で、率比は1.21(95%信頼区間0.99-1.48)と有意差を示さなかった。

この記事を読んでいる人におすすめ