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JAMA誌から
GERDへのPPIと腹腔鏡手術、寛解維持率に差はなし
約550人を5年間追跡したLOTUS試験の結果

 胃食道逆流症GERD)に対する治療として広く用いられている制酸薬の長期投与と、腹腔鏡下逆流防止術LARS)の有効性と安全性を比較した無作為化試験の結果が、JAMA誌2011年5月18日号に掲載された。著者である仏Nantes大学のJean-Paul Galmiche氏らは、いずれの治療法も5年寛解維持率に差はなく、忍容性が高い治療であることを明らかにした。

 GERDは慢性的な再発性の疾患で、プロトンポンプ阻害薬PPI)を用いた長期的薬物療法または外科治療が適用されている。長期にわたる服薬を好まない、または適さない患者に対する外科治療には、従来型の開腹術と、近年適用が増えているLARSがあるが、これまで、薬物療法とLARSの転帰を比較する臨床試験はほとんど行われていなかった。著者らは、薬物療法については用量の最適化を行い、LARSについては術式を標準化するといった方法で、質の高い比較を行うことにした。

 18~70歳の慢性GERD患者を対象に、欧州の11カ国の大学病院で、01年10月から09年4月まで、5年間のオープンラベルの無作為化並行群間試験LOTUSを実施した。

 慢性GERD患者626人を登録し、全員にエソメプラゾール40mg/日を投与する3カ月のランイン期間を設けた。治療に反応し、3カ月時には食道炎の重症度がロサンゼルス分類のグレードB以下、胸焼けまたは胃酸逆流が軽症になっていた患者554人(平均年齢45歳)を選んで、266人をエソメプラゾールに、288人をLARSに無作為に割り付けた。

 エソメプラゾールの開始用量は20mgを1日1回とし、段階的に40mg/日まで増量した。その後は症状の管理状態を指標に用量を調整した。

 LARS群では248人が実際にLARSを施行された。

 6カ月ごとの受診時に症状を評価し、1年後、3年後、5年後に内視鏡検査と生検を実施した。QOLはQuality of Life in Reflux and Dyspepsia (QOLRAD)とGastrointestinal Symptom Rating Scale(GSRS)質問票を用いて、ベースラインと、その後1年ごとに評価した。

 主要アウトカム評価指標は治療失敗までの時間に設定。LARS群では制酸薬投与が必要になった場合、エソメプラゾール群については用量調整後も症状のコントロールが不十分な場合を治療失敗とし、Kaplan-Meier法を用いて寛解維持率を求めた。分析はintention-to-treatで行った。

 5年間の追跡を完了したのは372人。エソメプラゾール群は192人(72%)、LARS群は180人(73%)だった。

 治療失敗はエソメプラゾール群が19人、LARS群が33人で、5年時点の推定寛解維持率は、エソメプラゾール群が92%(95%信頼区間89-96%)、LARS群が85%(81-90%)、ログランク検定のP=0.048となった。

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