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JAMA誌から
慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群にα遮断薬と抗菌薬が有効

 慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群CP/CPPS)に現在用いられている様々な薬剤の中では、α遮断薬抗菌薬が症状軽減に有効であることが、タイMahidol大学のThunyarat Anothaisintawee氏らが行った系統的レビューとネットワークメタ分析で分かった。論文は、JAMA誌2011年1月5日号に掲載された。

 CP/CPPSは、(1)泌尿器の疼痛または骨盤周囲の不快感と、(2)尿路症状と性機能障害のいずれかまたは両方が、過去6カ月間に3カ月以上持続しており、尿道炎、尿生殖器癌、尿路疾患、尿道狭窄、膀胱に影響を与える神経疾患ではないことが明らかな状態を指す。

 成人男性の約9%は前立腺炎で、それらの90~95%がCP/CPPSと言われる。だが、これほど患者が多いにもかかわらず、最善の治療に関する質の高いエビデンスはほとんどなかった。

 現在、CP/CPPSの治療に欧米で最も多く用いられているのはα遮断薬だが、この薬剤と偽薬の効果を比較した系統的レビューとメタ分析はそれぞれ1件ずつしかなかった。そこで著者らは、CP/CPPSに用いられる様々な治療薬の有効性を比較するネットワークメタ分析(個々の試験で報告されているデータを利用して直接比較が行われていない治療薬の間で有効性を比較する)を行って、症状全般、疼痛、排尿、QOLに対する影響を比較し、それぞれの治療に反応する患者の割合も比べることにした。

 MEDLINEとEMBASEに10年11月16日までに要録された無作為化試験の中から、NIH分類でカテゴリーIIIAまたはIIIBと判定されたCP/CPPS患者を登録しており、以下の薬剤(α遮断薬、抗菌薬、非ステロイド性抗炎症薬〔NSAID〕、フィナステリド、グリコサミノグリカン、フィトセラピー=薬草療法、ガバペンチノイド系薬剤、偽薬)のいずれか2つについて比較し、以下の転帰のいずれか(症状全般スコア、疼痛スコア、排尿スコア、QOLスコア)を報告していたものを選んだ。

 23件の研究が条件を満たした。治療期間は4~52週、患者の平均年齢は29.1歳から56.1歳だった。ほとんどが転帰の評価にNIH-CPSI(NIH慢性前立腺炎症状スコア)を用いており、一部に国際前立腺症状スコア(IPSS)、前立腺症状スコア指数(PSSI)を使用した研究があった(すべてにおいてスコアは低いほど症状は軽い)。

 20件の研究がいずれかの治療薬を偽薬と比較していた。α遮断薬に関する研究が7件、抗菌薬を用いた研究が2件、フィナステリドが2件、NSAIDが4件、フィトセラピーが3件、グリコサミノグリカンが1件、プレガバリンが1件だった。

 残りの3件の研究では、一部の患者に複数の治療薬が併用されていた。α遮断薬+抗菌薬、α遮断薬単剤、抗菌薬単剤を比較した研究が2件と、同様の3群に加えて偽薬群も設定した研究が1件だった。

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