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JAMA誌から
アスピリン使用者では便潜血検査の大腸癌検出能力が高まる

 大腸癌のスクリーニングに使われる免疫化学的便潜血検査(iFOBT)の大腸癌検出能力が、低用量アスピリン使用者では有意に高くなることが、独癌研究センターのHermann Brenner氏らの研究で分かった。論文は、JAMA誌2010年12月8日号に掲載された。

 大腸癌スクリーニングの対象となる年代の人々の多くが、心血管疾患の予防を目的として低用量アスピリンを継続的に使用している。アスピリンは上部消化管の出血リスクを高めるため、以前の便潜血検査を用いる場合は、便採取日の数日前から同薬の服用を中止する必要があると考えられていた。だが、iFOBTは上部消化管出血があっても陽性になりにくいという特徴を持つことから、アスピリンが下部消化管の癌からの出血を促せば大腸癌の検出感度は高まるだろうと考える研究者もいた。

 著者らはこの仮説を検証するために、2種類の定量的iFOBTsを用いた大腸癌スクリーニングを受けた男女を対象に、低用量アスピリンの使用が検査の精度に及ぼす影響を調べることにした。

 現在も進行中のBLITZスタディに登録された人々の中から、05~09年に南ドイツの内科と胃腸科の20カ所のクリニックでiFOBTと結腸鏡検査を組み合わせたスクリーニングを受けており、検査に適した便標本を提出、結腸鏡検査も適切に行われた1979人(平均年齢62.1歳)を選んで分析した。

 スクリーニングに用いられたのは、独r-Biopharm社製のELISAベースの定量的iFOBT2製品「RIDASCREENヘモグロビン」(以下検査1とする)と、「RIDASCREENヘモ-/ハプトグロビン」(以下検査2とする)だ。

 1979人のうち233人(12%)が低用量アスピリンを継続使用していた。うち167人(72%)は男性だった。

 主要アウトカム評価指標は、進行大腸癌検出の感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率、ROC曲線下面積に設定された。

 結腸鏡検査であらゆる大腸癌が見付かったのは、アスピリン使用者81人(34.8%)と非使用者529人(30.3%)。進行大腸癌が検出されたのは、それぞれ24人(10.3%)と181人(10.4%)だった。

 r-Biopharm社が推奨するカットポイントを使用した場合の2つの検査のあらゆる大腸癌検出感度は、検査1については、アスピリン使用群が38.3%(27.7-49.7%)、非使用群が22.9%(19.4-26.7%)(P=0.003)、検査2では使用群が33.3%(23.2-44.7%)、非使用群が18.7%(15.5-22.3%)(P=0.003)で、いずれも使用群の方が感度は有意に高かった。

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