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JAMA誌から
2009 H1N1の症状や転帰は季節性とほぼ同様
特定の集団の過去3年間の感染者を追跡した研究結果

 パンデミックとなった2009 H1N1の臨床的特徴と30日間の転帰は、季節性H1N1、季節性H3N2とほとんど差がない――。そんな結果が、特定の集団の過去3年間のインフルエンザ感染者を追跡した研究で得られた。2009 H1N1感染の転帰と他のA型インフルエンザ感染の転帰を積極的に監視し、直接比較した研究はこれまでなかった。米Marshfield Clinic Research FoundationのEdward A. Belongia氏らが、JAMA誌2010年9月8日号に報告した。

 著者らは、米ウィスコンシン州Marshfield周辺に住む成人と小児の外来患者または入院患者のうち、発熱、悪寒または咳のいずれか1つ以上がある患者をスクリーニング対象とした。07~08年の流行期(08年1月21日から10週間患者登録を実施)と08~09年の流行期(09年1月19日から12週間患者登録を実施)、そしてパンデミックインフルエンザに対するサーべイランスが始まった09年の5月4日から11月6日までの27週間に、計6874人の患者から同意を得て、全員から鼻咽腔スワブ(13歳以上)または鼻スワブ(生後6カ月から12歳)を採取した。診断はリアルタイムRT-PCR検査を実施して確定した。さらに、患者の医療記録を調べて、発症から30日以内に受けた治療、入院の有無、合併症などの臨床転帰に関する情報を集めた。

 重症度を示すスコアは、下記の12の症状に関する自己申告を求めた結果を基に計算した(生後24カ月以上の患者が対象)。咳、発熱、悪寒、疲労、鼻閉、喘鳴、嘔吐、頭痛、筋痛、咽喉痛、耳痛、悪心。それぞれの症状を4ポイント(なしが0、重症が3)で評価したものを合計した。

 主要アウトカム評価指標は、入院、胸部X線画像により確認された肺炎、それぞれのA型株の臨床的特徴とした。

 2009 H1N1感染者545人(年齢の中央値は10歳)、季節性H1N1感染者221人(11歳)、季節性H3N2感染者632人(25歳)を同定。年齢の中央値の差は有意だった(P<0.001)。成人患者に対する小児患者(生後6カ月から17歳)の比を求めると、2009 H1N1は8.7(95%信頼区間7.2-10.6)、季節性H1N1では5.2(3.9-6.8)、H3N2は2.2(1.9-2.6)となった。

 個々の症状を経験した患者の割合は2009 H1N1、季節性H1N1、H3N2の間でおよそ同様だった。差が有意になったのは咽喉痛で、2009 H1N1感染小児では有意に少なかった(H1N1との比較のP=0.03、H3N2との比較ではP<0.001)。

 重症度スコアの中央値は、2009 H1N1が14(四分位範囲が10-19)、季節性H1N1では16(13-20)、H3N2は17(13-20)。

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