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JAMA誌から
フォンダパリヌクスと併用するヘパリンの至適用量は?
非ST上昇急性冠症候群患者へのPCI適用時

 非ST上昇急性冠症候群患者でフォンダパリヌクスが投与されている症例にPCIを行う場合、未分画ヘパリンの使用が推奨されている。その際、低用量を用いるべきか、標準用量を用いるべきか―。この疑問について、無作為化試験を実施したカナダHamilton総合病院のSanjit S. Jolly氏らは、ヘパリンを低用量で使用しても、PCI後30日以内の転帰において、標準用量に優る利益はないことを明らかにした。論文は、JAMA誌電子版に2010年8月31日に報告された。

 一連のOASIS試験によって、合成Xa阻害薬であるフォンダパリヌクスの大出血リスクは、エノキサパリンより低いことが示された。だが、PCIを受けた患者や心臓カテーテル留置を受けた患者のカテーテル関連血栓症リスクは、フォンダパリヌクス投与により、小さいながら有意な上昇を示した。

 この結果を基に、非ST上昇急性冠症候群でフォンダパリヌクスの投与を受けている患者にPCIを行う際には、未分画ヘパリンの併用が推奨されるようになった。ただ、フォンダパリヌクスの安全性を維持しながら、カテーテル血栓症を予防できる抗トロンビン作用が得られるヘパリンの至適用量は明らかではなかった。

 そこで著者らは、2通りの用量の未分画ヘパリンの安全性を比較する前向きの二重盲検試験FUTURA/OASIS-8を実施した。患者登録は、18カ国の179病院で、09年2月から10年3月まで行われた。

 不安定狭心症または非ST上昇心筋梗塞とみなされ、フォンダパリヌクスの投与を受けたが、早期の冠動脈造影が必要と判定されて、症状発現から48時間以内に臨床試験実施施設に紹介されてきた患者のうち、72時間以内にPCI実施となった非ST上昇急性冠症候群患者2026人を登録。二重盲検法で無作為に1024人(平均年齢65.3歳)を低用量、1002人(平均年齢65.5歳)を標準用量に割り付けた。

 未分画ヘパリン低用量群には、GP IIb/IIIa阻害薬使用の有無にかかわらず、50 U/kgをボーラス投与した。用量調整は行わなかった。標準用量群には、GP IIb-IIIa阻害薬なしなら85 U/kg、GP IIb/IIIa阻害薬併用なら60 U/kgをボーラス投与し、その後、活性化凝固時間(ACT)を指標に用量を調整した。いずれも最初の投与はPCIのガイドワイヤ挿入の1分以上前に行った。

 登録された患者には、オープンラベルで2.5mg/日のフォンダパリヌクスを皮下投与した。

 主要アウトカム評価指標は、PCI周術期(割り付けからPCI後48時間まで)の大出血、小出血、主要な血管アクセス部位合併症(大きな血腫、治療を要する仮性動脈瘤、動静脈瘻など)に設定。また、48時間以内の大出血と、30日以内の死亡、心筋梗塞、標的血管への血行再建術再施行を合わせた複合イベントを、臨床利益を総合的に知るための重要な2次評価指標とした。

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