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JAMA誌から
COPD急性増悪への全身性ステロイドは経口投与でOK

 慢性閉塞性肺疾患COPD)の急性増悪で入院した患者に、全身性のステロイド投与を行う際に、高用量ステロイドの静脈内投与と低用量ステロイドの経口投与のどちらが転帰良好か―。この問いを検証すべく大規模後ろ向き研究を行った米Tufts大学Baystate Medical CenterのPeter K. Lindenauer氏らは、低用量経口投与でも治療失敗のリスク上昇はなく、入院期間、コストの面からは好ましいとする結果を、JAMA誌2010年6月16日号に報告した。

 全身性のステロイド投与は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪により入院した患者に利益をもたらすが、最も有効な用量と投与経路は明らかではない。

 この後ろ向きの薬剤疫学コホート研究は、全米の小~中規模の急性期病院414施設(全米の入院患者の約15%がこれら施設を利用している)に06年1月1日から07年12月1日までにCOPDの急性増悪で入院した40歳以上の患者のうち、当初2日間に全身性のステロイド投与を受けた人々を対象に行われた。このうち、投与量が、静脈内投与はプレドニゾン120mg/日以上800mg/日以下(または同等量のステロイド)、経口投与は20mg/日以上80mg/日以下(または同等量のステロイド)の範囲だった患者のデータを抽出した。

 主要アウトカム評価指標は、治療失敗を示す複合イベント(入院2日目の機械的換気開始、院内死亡、退院後30日以内のCOPD急性増悪による再入院)とし、2次アウトカム評価指標は入院期間とコストに設定。

 条件を満たした7万9985人(年齢の中央値は69歳)の患者のうち、7万3765人(92%)がステロイドの静脈内投与を受けていた。経口投与は6220人(8%)に行われていた。2日間に投与された用量の中央値は、静脈内投与群がプレドニゾン換算で600mg、服用群が60mgだった。

 静脈内投与群に比べ経口投与群の患者は、高齢で白人以外が多く、併存疾患をより多く抱えていた。抗菌薬とメチルキサンチン(テオフィリンなど)の投与は遅れがちで、当初2日間に非侵襲的人工呼吸が適用された患者の割合も低かった。

 患者全体のうち、入院2日目に機械的換気を必要としたのは941人(1.2%)、院内死亡は1080人(1.4%)、30日以内のCOPDによる再入院は6911人(8.8%)。これら複合イベント経験者は計8671人(11%)で、静脈内投与群の10.9%(10.7-11.1%)、経口投与群では10.3%(9.5-11.0%)だった。

 入院期間の中央値は4日、費用の中央値は5021ドルだった。

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