日経メディカルのロゴ画像

JAMA誌から
切除可能胃癌に対する術後補助療法に生存利益あり

 切除可能胃癌と診断されて完全切除を受けた患者のうち、術後に補助化学療法を受けた患者は、同療法を受けなかった患者に比べて、全生存期間、無増悪生存期間の両方が有意に延長する―。そんなメタ分析の結果を、The GASTRIC(Global Advanced/Adjuvant Stomach Tumor Research International Collaboration)Groupに所属する仏国立癌研究所のXavier Paoletti氏らがまとめた。論文は、JAMA誌2010年5月5日号に掲載された。

 術後補助療法の有無が胃癌患者の転帰に及ぼす影響を調べる無作為化試験は、これまでに数多く行われてきた。なかでも、本邦で実施されたACTS-GC試験は、化学療法追加の利益を明確に示したが、同様のレジメンがアジア以外の国でも有効かどうかは明らかではない。また、それ以外の試験は一貫した結果を示せていない。

 ゆえに、日本では、ACTS-GC試験の結果に基づいて術後補助療法が標準治療となったが、欧米のガイドラインはこれを推奨していない。

 そこで著者らは、これまでより厳格なメタ分析を行うべく、無作為化試験に参加した個々の患者の情報を収集して、完全切除後の化学療法の利益(全生存期間、無増悪生存期間)を、手術のみの場合と定量的に比較した。

 さらに、(1)単剤療法、(2)フルオロウラシル誘導体+マイトマイシンC+その他薬剤の併用(アントラサイクリンなし)、(3)フルオロウラシル誘導体+マイトマイシンC+アントラサイクリンの併用、(4)他の併用レジメンの効果も比較した。

 切除可能胃癌の患者を対象に、術後補助療法ありとなしの臨床転帰を比較した無作為化試験を、MEDLINE、コクランセントラル比較臨床試験登録、国立衛生研究所臨床試験登録、主要な学会での発表の中から選出。放射線治療、ネオアジュバント療法、周術期または術中の化学療法、免疫治療を行っていた試験は除外した。

 31件(6390人の患者を登録)の研究が条件を満たした。患者1人1人について、登録された施設、割り付け日、追跡終了日または死亡日、死因、再発の有無(ありの場合には再発のタイプと診断日)、TNM病期分類、他の病期分類、全身状態(performance status)、登録時の年齢などの情報を求めた。

 データが入手できたのは、17件の試験に登録された3838人の患者(術後補助療法あり群1952人、切除のみ群1886人)。うち一部のデータが欠けていた57人は分析から除外した。

この記事を読んでいる人におすすめ