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JAMA誌から
糖尿病性腎症への高用量ビタミンB投与は有害
腎機能低下が進み、心血管イベントリスクが上昇

 糖尿病性腎症の患者にはしばしば高ホモシステイン血症が見られる。ビタミンB群を投与すればホモシステイン値は低下するが、これに伴って臨床転帰は向上するのか。この疑問を検討するため無作為化試験を行った英Western Ontatio大学のAndrew A. House氏らは、高用量ビタミンB群を投与すると予想に反して腎機能の低下が進み、心血管イベントリスクは上昇することを明らかにした。論文は、JAMA誌2010年4月28日号に掲載された。

 糖尿病性腎症は慢性腎疾患の主な原因の1つで、米国では末期腎不全患者の44%超が糖尿病であると報告されている。

 糖尿病性腎症の患者にはしばしば、高ホモシステイン血症が見られる。ビタミンB群の葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12を投与すると、血漿中のホモシステイン濃度が低下し、これにより血管内皮の機能が向上するとの報告はこれまでにあった。そこで著者らは、ビタミンB群を高用量投与すれば、糖尿病性腎症の進行を遅らせることができ、血管合併症が予防できるのではないかと仮定し、これを検証する二重盲検の多施設無作為化試験DIVINeを01年5月から07年7月にかけて実施した。

 カナダの大学病院5施設において、1型または2型糖尿病で糖尿病性腎症と診断されている18歳以上の患者で、尿中アルブミン量が300mg/日以上(または500mg/日以上の蛋白尿)の患者を登録。252人を、無作為に、葉酸(2.5mg/日)、ビタミンB6(25mg/日)、ビタミンB12(1mg/日)を含む錠剤(ビタミン投与群、128人)または偽薬(124人)に割り付けた。

 主要アウトカム評価指標は、放射性同位元素(99テクネチウム-DTPA)を用いて調べた糸球体濾過量(GFR)のベースラインから36カ月までの変化に設定。2次アウトカム評価指標として、複合イベント(心筋梗塞、脳卒中、血行再建術、全死因死亡)の発生や、透析が必要となった患者の割合などについて比較した。

 追跡期間の平均は31.9カ月。割り付け後に一度も受診しなかった患者を除く238人(ビタミン投与群119人、偽薬群119人)を分析対象とした。

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