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JAMA誌から
早期中止されたRCTは介入の利益を過大評価している
カナダの研究者が行ったメタ分析の結果

 早期中止された無作為化比較試験(RCT)は、同じ評価指標を設定して行われたが早期中止にならなかったRCTと比べて、介入の利益を過大評価している―。カナダMcMaster大学のDirk Bassler氏らが行ったメタ分析で、そんな事実が明らかになった。早期中止までのイベント発生件数が少ないことが、介入の利益を過大評価する主な予測因子だという。論文は、JAMA誌2010年3月24/31日号に掲載された。

 これまでにも、介入の利益が明確になったとして早期中止されたRCTは、治療効果を過大評価しがちであることが、統計学的なモデルを用いた分析や系統的レビューによって示唆されていた。

 著者らは今回、新たなアプローチを用いて早期中止の問題点を明らかにし、それにかかわる要因を同定しようと考えた。

 まず、MEDLINE、EMBASE、Current Contents、学術論文全文データベースなどに07年1月までに報告されたRCTの中から、介入の利益が示されたとして早期中止された研究を選出した。

 次に、MEDLINE、コクラン系統的レビューデータベース、Database of Abstracts of Reviews of Effectsに08年1月までに登録された研究から、RCTの系統的レビューを同定。早期中止されたRCTと同じ評価指標を設定していたRCTを選んで、それらの中から個々のデータを抽出し、新たなメタ分析を行った。

 分析対象となった早期終了RCTは91件、同様の評価指標を設定して行われたRCTは424件見付かった。共通する評価指標は計63項目だった。

 早期中止RCTの報告の方が、インパクトファクターが高いジャーナル(Ann Intern Med、BMJ、JAMA、Lancet、NEJM)への掲載割合が有意に多かった(68%と30%、p<0.001)。

 早期中止RCTと早期中止されなかったRCTのプールした相対リスクを比較するために、早期中止RCTの相対リスク/早期中止されなかったRCTの相対リスク=相対リスク比を求めた。

 評価指標63項目のうち55項目(87%)について、相対リスク比は1.0以下だった。すなわち早期中止RCTと早期中止されなかったRCTの介入の効果は同等、または、早期中止RCTの方が効果を大きく報告していた。

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