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JAMA誌から
ステント留置後の血小板機能検査で得られる利益は少ない

 冠動脈ステントの留置後、患者には抗血小板薬の2剤併用が行われる。だが、治療に対する反応性は患者ごとに異なる。そこで、オランダSt Antonius病院のNicoline J. Breet氏らは、治療中の血小板活性を知るための最適の検査法を同定しようと、6通りの血小板機能検査の精度を比較する前向きコホート研究を行った。この結果、3通りの検査が有用性を示したものの、アテローム血栓性イベント発生の予測精度は中程度に留まった。論文は、JAMA誌2010年2月24日号に報告された。

 アスピリンとクロピドグレルという抗血小板薬2剤の併用は、ステント留置を含むPCI適用患者のアテローム血栓性イベントを抑制する。しかし、患者ごとに治療に対する反応性は異なるため、個々の患者の血小板活性を正確に知り、イベントを回避するための介入を行うことは重要だ。

 著者らは、臨床転帰の予測において有用かどうかという観点から、血小板機能検査法を比較する単施設試験Popularを実施した。

 この試験は、ステント留置を含むPCIを受け、クロピドグレルアスピリンを使用している患者を対象に、複数の血小板機能検査法のアテローム血栓性イベント予測能力を比較したもの。

 冠動脈疾患で、2005年12月から2007年12月の間に待機的な冠動脈ステント留置術を受けた人々を、連続で1069人(平均年齢は64歳)登録。すべての介入はガイドラインに沿って行われた。患者は、ステント留置前から最適な用量のクロピドグレルとアスピリンの投与を受けていた。術後1年間はクロピドグレル75mg/日とアスピリン80~100mg/日を投与した。

 ステント留置後、維持用量のクロピドグレルとアスピリンを使用している患者から採血し、以下の方法で血小板活性を測定した。

・ light transmittance aggregometry(LTA:比濁法、ADP刺激は5μmol/Lまたは20μmol/L)
・ VerifyNow-P2Y12(米Accumetrics社製)
・ Plateletworks(米Helena Laboratories社製)
・ IMPACT-R(ADP刺激あり、またはなし)(ベルギーMatis Medical社製)
・ 血小板機能分析システム PFA-100(コラーゲン/ADP刺激)(独Siemens Healthcare Diagnostics Products社製)
・ 最新型のPFA-100システムであるINNOVANCE PFA P2Y(試験が半分終わったころに研究利用が可能になり、それ以降はINNOVANCE PFA P2Yも使用した。この製品は現在も開発中で市販されていない)。

 主要エンドポイントは、全死因死亡、非致死的急性心筋梗塞、ステント血栓症、虚血性脳卒中からなる複合イベントとし、安全性のエンドポイントはTIMI出血分類に基づく大出血と小出血に設定した。

 12カ月後の臨床転帰が得られたのは1067人(99.8%)の患者。クロピドグレルの服薬遵守率は6カ月時が95.2%、12カ月時が82.1%だった。

 12カ月間の追跡で、18人(1.7%)が死亡、64人(6.0%)が非致死的急性心筋梗塞、13人(1.2%)がステント血栓症、14人(1.3%)が非致死的虚血性脳卒中を経験していた。出血は計55人(5.1%)に見られた。TIMI基準による大出血は33人(3.1%)、小出血は24人(2.2%)だった。

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