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JAMA誌から
米国の医師の労働時間と報酬は過去10年間で減少した
労働時間は7.2%、報酬は25%減少

 医療制度改革に関する議論が進む米国において、医師の数は足りているのか不足しているのか。その判断を助けるために、米National Bureau of Economic ResearchのDouglas O. Staiger氏らは、国勢調査局のデータを利用して1976年以降の医師の労働時間報酬の変化を調べた。この結果、1997~2007年の間に労働時間は7.2%減少し、1995~2006年の間に報酬は25%減少していたことが分かった。詳細は、JAMA誌2010年2月24日号に報告された。

 米国医師会は01年以来、医師の労働時間に関するデータを報告していない。医師の労働時間の最新の傾向を調べ、報酬との関係を明らかにしようと考えた著者らは、米国民を代表する10万人を超える人々のデータが登録されている米国勢調査局の人口動態調査(US Census Bureau Current Population Survey)の1976~2008年の情報を利用して、米国の医師の労働時間について分析した。

 この調査では、カイロプラクター、歯科医、検眼士、足病医などは、職業分類において医師に含まれない。また、著者らは、医師の分類に含まれていた人々のうち、教育や科学研究を専門に行っている人などは除外した。なお、レジデント医師かどうかは明記されていないため、著者らは35歳未満で病院に勤務している医師をレジテントと見なした。AMA Physician Masterfile for 2007において、そうした医師の97%はレジデントだったと報告されていたからだ。

 労働環境(病院勤務か否か)、開業医かどうか、年齢、性別、居住地域が大都市統計地域かどうか、といった情報も人口動態調査のデータから抽出した。

 主要アウトカム評価指標は、調査の前の週の労働時間(自己申告による)に設定。

 すべての医師を対象に分析すると、労働時間は77年から97年まではほぼ一定で、55時間/週程度(54.6時間~55.9時間)だった。しかし、97~07年には労働時間が一貫して減少し、3年移動平均値は96~98年が54.9時間/週、06~08年は51.0時間/週で、7.2%(95%信頼区間5.3%-9.0%、p<0.001)の減少が見られた。

 週当たりの労働時間数の変化の幅は、レジデントかそうでないかによって異なっていた。過去10年間にどちらも労働時間は減少していたが、レジデントにおける減少は9.8%(5.8%-13.7%、p<0.001)と顕著だった。これは、2003年7月にレジデントの勤務時間の上限を守ることが義務付けられたためだ。

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