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JAMA誌から
eGFRがほぼ正常でも蛋白尿があれば死亡率が上昇
CKDの病期分類では蛋白尿も考慮すべき

 慢性腎臓病CKD)の現行のガイドラインでは、糸球体濾過量の推定値(eGFR)を主な指標として病期を分類している。しかし、eGFRが同じでも、蛋白尿の有無とその程度によって有害臨床転帰の発生率が有意に異なることが、カナダCalgary大学のBrenda R. Hemmelgarn氏らが行ったコホート研究で判明した。論文は、JAMA誌2010年2月3日号に掲載された。

 eGFR値と同様に、蛋白尿もCKDの重要なマーカーであるにもかかわらず、現在の病期分類は蛋白尿を指標に組み込んでいない。しかし実際には、eGFR値は正常またはほぼ正常だが、蛋白尿が認められるステージ1~2のCKD患者も存在する。

 そこで著者らは、eGFR値、蛋白尿と有害な臨床転帰の関係を調べることにした。

 対象は、カナダのアルバータ州の住民のうち、02~07年に1回以上外来で血清クレアチニンの測定を受けていた人々。透析患者と腎移植患者、腎機能が非常に低かった患者(血清クレアチニン値が0.28mg/dL未満)などは除外した。eGFR値と蛋白尿(試験紙による判定とアルブミン-クレアチニン比:ACRにより判定)に基づいて対象者を層別化し、有害臨床転帰の発生率を調べた。

 主要アウトカム評価指標は、全死因死亡。2次評価指標は、心筋梗塞による入院、末期腎疾患発症、血清クレアチニン値の倍加(腎機能の半減を意味する)に設定した。

 92万985人の成人が条件を満たした。追跡は07年3月31日まで実施し、追跡期間の中央値は35カ月だった。

 eGFR値は6カ月間隔で2回測定し、平均を求めて以下の4群に分けた。60mL/分/1.73m2以上(82万571人)、45~59.9mL/分/1.73m2(7万9845人)、30~44.9mL/分/m2(1万6713人)、15~29.9mL/分/1.73m2(3856人)。

 試験紙を用いた尿検査の結果が陰性であれば正常尿(83万6550人)とし、1+は軽度蛋白尿(7万1557人)、2+以上は高度蛋白尿(1万2878人)に分類した。

 ACRの測定を1回以上受けていたのは10万2701人。測定値に基づく分類は、30mg/g未満を正常(7万7280人)、30~300mg/gを軽度蛋白尿(2万217人)、300mg/g超を高度蛋白尿(5204人)とした。

 追跡期間中に2万7959人(3.0%)が死亡。心筋梗塞による入院は5772人(0.6%)、末期腎疾患へ進行した患者は771人(0.08%)、血清クレアチニン値の倍加を経験したのは2541人(0.4%)だった。

 社会人口学的要因、糖尿病、高血圧、併存疾患などの交絡因子で調整し、1000人-年当たりの発生率を推定したところ、これら4つの有害転帰の発生率は、eGFR値が低いほど、また蛋白尿が重症になるほど高かった。

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