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JAMA誌から
抗不整脈薬に反応しない心房細動にはアブレーションがベター
薬物治療継続と比較した無作為化試験の結果

 抗不整脈薬は心房細動治療の第1選択として広く用いられているが、再発率は高い。米Loyora大学のDavid J. Wilber氏らは、1剤以上の抗不整脈薬に反応しなかった発作性心房細動の患者を対象に、薬物療法とラジオ波カテーテルアブレーションの有効性と安全性を比較する無作為化試験を行った。得られた結果は、これらの患者に対するアブレーションの適用を強力に支持した。詳細は、JAMA誌2010年1月27日号に報告された。

 抗不整脈薬投与を受けた心房細動患者の約半数が、6~12カ月間に再発する。さらに抗不整脈薬を長期投与する場合には有害事象が懸念される。

 薬物療法と、その代替とみなされているラジオ波カテーテルアブレーションの有効性と安全性を比較した研究はこれまでにも複数行われたが、質の高い研究はなかった。

 著者らは、症候性の発作性心房細動患者を対象に、カテーテルアブレーションの有効性を抗不整脈薬と比較する、前向きの多施設無作為化非盲検試験を実施した。

 04年10月25日から07年10月11日までの間に、19施設(米国15施設、欧州2施設、カナダ1施設、中南米1施設)で、1剤以上の抗不整脈薬(クラスI、クラスIII、房室結節伝導抑制薬)に反応せず、過去6カ月間に3回以上の心房細動を経験していた患者を登録。心房細動が30日を超えて持続している、18歳未満、駆出分画が40%未満、アブレーション歴あり、NYHA分類でクラスIIIまたはクラスIV、過去2カ月以内に心筋梗塞を発症といった患者は除外した。

 条件を満たした167人をカテーテルアブレーション(106人)または抗不整脈薬(61人)に割り付け、9カ月間追跡した。

 抗不整脈薬群の患者には、クラスIまたはクラスIIIの薬剤(ドフェチリド、フレカイニド、プロパフェノン、ソタロール、キニジン)の中から使用歴がないものを選択、最初に用量調整を行い、その後は試験終了まで一定の用量を投与した。治療失敗と判定された患者については、投与期間が90日を過ぎた時点でカテーテルアブレーションを行った。

 アブレーション群については、初回治療後80日以内に最高2回までアブレーションの追加実施を許可した。

 主要アウトカム評価指標は、9カ月間の治療失敗に設定。症候性発作性心房細動の出現以外に、以下の場合も治療失敗と判定した。
 カテーテルアブレーション群:再発がなくても初回実施から80日以降にアブレーション再施行、アブレーション後も肺静脈からの電気的連絡路が遮断しきれていない、アブレーション後に抗不整脈薬、ARB、ACE阻害薬などの薬物療法レジメンを変更。
 抗不整脈薬群:治療中止が必要になる有害事象が発生した場合。

 安全性の評価指標は、アブレーションから30日以内、または抗不整脈の投与開始から30日以内の治療に関連する主な有害事象(死亡、心筋梗塞、肺動脈狭窄、横隔膜麻痺、心房食道瘻、一過性虚血発作、血栓塞栓イベント、心膜炎、心タンポナーデ、心膜液貯留、気胸、血管アクセスの合併症、肺水腫、うっ血性心不全、心ブロック、生命を脅かす心室性不整脈、割り付けられた抗不整脈薬の使用中止が必要なレベルの不忍容)に設定。そのほか、QOL(SF-36v2と心房細動症状頻度・重症度チェックリスト)なども評価した。分析にはベイズの方法を用いた。

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