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JAMA誌から
新型ワクチン、9歳未満でも1回接種が可能か
CSL Biotherapies社製ワクチンで90%以上に免疫を誘導

 9歳未満の小児に対する新型インフルエンザ2009 H1N1ワクチンの臨床試験で、1回接種でも90%超の小児に免疫を誘導できるという結果が示された。オーストラリアMelbourne大学のTerry Nolan氏らが、1価のアジュバント非添加不活化スプリットワクチン(オーストラリアCSL Biotherapies社製)を用いて行った研究で、論文はJAMA誌電子版に2009年12月21日に掲載された。

 これまで、小児において確実に2009 H1N1に対する免疫を獲得するためには、ワクチンの2回接種が原則であり、可能であれば抗原量は多い方がよいのではないかと考えられてきた。

 著者らは、2通りの用量(抗原量にして15μgまたは30μg)のワクチンを生後6カ月以上9歳未満の小児に2回接種し、有効性と安全性を評価するフェーズ2試験をオーストラリアの5施設で実施した。この無作為化試験は観察者盲検で行われた。

 09年8月3日から9月4日まで、オーストラリア在住で、生後6カ月以上9歳未満の健康な小児(3歳未満と3歳以上に層別化)を登録、369人を15μgまたは30μgに割り付け、21日間隔で2回筋注した。血液標本はベースラインと接種後21~25日目に採取した。

 接種から7日以内の特定の有害事象(局所または全身性)と、接種から21日以内に発生したそれ以外の有害事象を日記に記録するよう保護者に依頼した。 

 主要アウトカム評価指標は、赤血球凝集抑制(HI)試験により抗体価40倍以上、血清転換(ベースラインの抗体力価が10倍未満で接種後に40倍以上)または抗体価の有意な上昇(接種後の抗体力価がベースラインの4倍以上)を経験した小児の割合と、幾何平均力価の倍数変化に設定された。

 このシーズンの季節性インフルエンザに対するワクチンの接種を受けていたのは369人中148人(40.1%)だった。

 ベースラインで抗体価40倍以上を示した小児は、15μg群の3歳未満が9.2%、3歳以上が27.6%、30μg群ではそれぞれ13.7%と33.3%だった。ベースラインの抗体価は、季節性インフルエンザワクチンの接種を受けていたグループで有意に低かった(フィッシャーの正確検定のp=0.049)。

 初回接種後、抗体価40倍以上となった小児は、分析可能だった346人中329人で、95.1%(95%信頼区間92.3-96.9%)という高い数値になった。15μg群では174人中161人(92.5%、95%信頼区間87.6-95.6%)、30μg群は172人中168人(97.7%、94.2-99.1%)だった。

 血清転換または抗体価の有意な上昇を経験した小児は15μg群86.8%(80.9-91.0%)、30μg群94.2%(89.6-96.8%)、幾何平均力価はそれぞれ13.6倍(11.8-15.6倍)と18.3倍(15.7-21.4倍)になっていた。

 これらについて2つの年齢層の結果を比較したところ、有意差が見られたのは幾何平均力価の倍数変化のみだった(3歳以上のグループで倍数が有意に上昇)。

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