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JAMA誌から
群発頭痛の急性発作に100%酸素の吸入は有効
15分後には8割の患者が無痛に

 群発頭痛に対する治療の1つとして、標準的なガイドラインは高流量酸素吸入を推奨している。しかし、高流量酸素吸入の有効性と安全性を示した質の高い研究はこれまでなかった。そこで英The National Hospital for Neurology and NeurosurgeryのAnna S. Cohen氏らは無作為化試験を実施。発作開始とともに高流量酸素吸入を行うと、15分後には78%の患者が無痛になることを明らかにした。詳細は、JAMA誌2009年12月9日号に報告された。

 群発頭痛は、原発性の頭痛症候群の一種で、非常に激しい痛みを引き起こす。発作は毎日決まった時間に生じることが多い。有病率は0.3%で、女性より男性に患者が多い(1:2.5)。痛みは片側にのみ現れ、同側性の自律神経症状を伴う。1回の発作は15~180分持続する。発作は数週間から数カ月にわたって連続的に発生することがある。

 発作発生が7日から最高1年間続き、その後の寛解が1カ月以上継続するタイプの患者を「エピソディックな群発頭痛」と呼び、発作が1年を超えて持続発生して寛解しない患者、または寛解するものの1カ月に満たない患者は「慢性群発頭痛」に分類する。

 群発頭痛の治療には速効性が求められるが、急性発作への適用が承認されているスマトリプタンは、皮下注射なら効果発現までに15分、経鼻スプレー製剤なら30分を要する。また、トリプタン系薬剤の1日当たりの使用量は制限されており(皮下注射なら2回まで、経鼻スプレーなら3回まで)、血管疾患リスクの高い患者には禁忌といった問題もある。

 そこで、トリプタン系薬剤の代替として標準的な治療ガイドラインが推奨しているのは、高流量酸素吸入だ。100%酸素の15分間吸入は、25~30年前から安全で有効と考えられているが、確かなエビデンスは示されていなかった。有効性を報告した研究は1985年に行われたもので、対象はたった15人の患者だった。

 著者らは、群発頭痛に対する酸素吸入の適用が普及しないのは、質の高い無作為化試験による安全性と有効性の確認がなされていないからではないかと考え、在宅での高流量酸素吸入が急性発作の治療において偽薬より有効かどうかを調べる二重盲検の無作為化クロスオーバーフェーズ3試験を実施した。

 02年から07年に著者らの病院で患者登録を実施。国際頭痛学会の診断基準に基づいて群発頭痛と判定された109人の成人患者(18~70歳)を登録した。エピソディックな患者と慢性患者の両方を登録可能とした。

 初回エピソードに対して高流量酸素吸入(発作開始時からフェイスマスクを用いて100%を12L/分で15分間投与)を適用する群、または偽薬(高流量の空気)を適用する群に割り付け、2通りの治療を代わる代わる実施した。例えば、初回が酸素吸入なら2回目の発作時には空気、3回目は酸素、4回目は空気、という順番で使用するよう吸入機器を準備した。

 患者には吸入器の使用法を教えるとともに、吸入開始から5分後、10分後、15分後、30分後、60分後の治療効果を記録するカードを渡して、発作発生時に自ら治療を行うよう指示した。圧縮空気の入ったシリンダーには番号が付けてあり、その順番での使用を求めた。

 なお、15分後に痛みの軽減が全く感じられない場合にはあらゆるレスキュー薬の使用を許可した。

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