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JAMA誌から
サージカルマスクの性能はN95マスクに劣らない
看護師におけるインフルエンザ感染予防効果を比較した結果

 新型インフルエンザ2009 H1N1)のパンデミックは、先進国においてもN95マスク不足をもたらす危険性がある。そこで、カナダMcMaster大学のMark Loeb氏らは、病院で発熱性呼吸器疾患の患者を担当する看護師を対象に、サージカルマスクN95マスクのインフルエンザ感染率に対する影響を比較する非劣性試験を行った。この結果、通常の患者のケアにおいては、サージカルマスクはN95マスクに劣らない性能を持つことが示された。詳細は、JAMA誌電子版に2009年10月1日に報告された。

 医療従事者の感染予防において、N95マスクの果たす役割は大きい。しかし、N95マスクが十分に利用できない国は少なからず存在する。また、N95マスクを日常的に利用している国でも、インフルエンザパンデミックの間は不足が懸念される。にもかかわらず、代用としてサージカルマスクを使用した場合の、インフルエンザ感染予防効果に関する情報はこれまでほとんどなかった。

 そこで著者らは、ハイリスクの医療従事者をインフルエンザ感染から守る効果に焦点を当てて、サージカルマスクとN95マスクを比較する無作為化非劣性試験を行った。

 2008年9月23日~12月8日にカナダ・オンタリオ州の8カ所の第三次医療機関(大学病院6施設:310~400床、市中病院2施設:256~400床)の救急部門、内科部門、小児科部門にフルタイム(就労時間は週に37時間超)で勤務する看護師446人を登録。平均年齢は36.2歳、94%が女性だった。

 登録した看護師を、無作為に、個々人の顔にフィットすることが十分に確認されたN95マスク(221人)またはサージカルマスク(225人)に割り付けた。サージカルマスクは、各病院が用意している製品をそれぞれの製造会社の指示通りに使用する、とした。

 2008~09年のインフルエンザ流行期が始まった時点で、発熱のある呼吸器疾患の患者のケアを担当する際には、割り付けられたマスクを使用するよう看護師に指示した。グローブとガウンは通常通り着用した。

 試験は、インフルエンザシーズンの終わりまで継続される予定だったが、2009 H1N1の流行が始まった時点で、オンタリオ州保健局が、発熱性呼吸器疾患患者のケアを担当する人々にN95マスクの着用を勧告したため、2009年4月23日にこの試験は中止された。

 主要アウトカムは、インフルエンザ確定診断例(PCRで陽性または赤血球凝集抑制〔HI〕試験で抗体価4倍以上)の発生率に設定。N95マスクと比較したサージカルマスクの非劣性を検証するため、あらかじめ非劣性のマージンを「95%信頼区間の下限が-9%」に設定した。

 2次評価指標は、インフルエンザ以外のウイルスの感染率に設定。パラインフルエンザウイルス(1型、2型、3型、4型)、RSウイルス(A型、B型)、アデノウイルス、メタニューモウイルスなどをPCRにより同定した。

 季節性インフルエンザワクチンの接種率は、サージカルマスク群30.2%、N95マスク群28.1%で差はなかった。

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