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JAMA誌から
アスピリンは末梢動脈疾患患者の心血管イベントを減らさない
非致死的脳卒中はリスク減少

 アスピリン末梢動脈疾患(PAD)患者の心血管イベントを予防する効果があるのだろうか。米Pennsylvania大学のJeffrey S. Berger氏らは、無作為化試験のメタ分析を行い、アスピリン投与群と対照群の間で心血管イベントの発生率に有意差はなく、アスピリン群で有意なリスク減少が見られたのは非致死的脳卒中のみであったことを明らかにした。詳細はJAMA誌2009年5月13日号に掲載された。

 アスピリンが症候性の冠動脈疾患患者と脳血管疾患患者の心血管リスクを減らすことは無作為化試験により示されている。しかし、PAD患者に対するアスピリン投与の利益については一貫した結果が得られていない。にもかかわらず米国やその他の国のガイドラインは、一部の研究結果に基づいてPAD患者へのアスピリンの適用を推奨しているのが現状だ。これに対し、米国食品医薬品局(FDA)は、PADをアスピリンの適応症とするにはエビデンスが不足しているとの判断を示している。

 著者らは、アスピリンの複合心血管イベントリスク低減効果はプラセボまたは対照療法と差がないという帰無仮説の検証を行うべく、無作為化試験のメタ分析を実施した。

 MEDLINE、コクラン比較試験登録(CENTRAL)、EMBASE、Science Citation Indexに1966年から2008年12月までに登録された研究と、Antithrombotic Trialists’Collaboration(ATT)の補足インデックスの中にある未発表の研究の中から、オープンラベルまたは盲検の前向き無作為化試験で、PAD患者をアスピリンまたはプラセボもしくは対照療法に割り付けており、全死因死亡、心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中、大出血に関するデータが記載されている研究を選出した。

 18件の研究(登録患者数は5269人)が条件を満たした。7件はアスピリン単剤とプラセボまたは対照療法を、7件はアスピリン/ジピリダモール併用とプラセボまたは対照療法を比較していた。4件は、アスピリン単剤、アスピリンとジピリダモール、プラセボのすべてについて比較を行っていた。

 主要アウトカム評価指標は、アスピリン単独またはアスピリン/ジピリダモール併用による複合心血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死亡)のリスクとし、2次評価指標は、複合イベントを構成する個々のイベントと全死因死亡のリスクに設定した。安全性のアウトカムは大出血とした。分析はintention-to-treatで行った。

 登録患者5269人のうち、アスピリンに割り付けられていた患者は2823人で、うち1516人がアスピリンの単剤投与を受けていた。2446人はプラセボまたは対照療法に割り付けられていた。

 アスピリンの用量は、単剤投与群が100mg/日~1500mg/日、併用群では、アスピリン25mg/ジピリダモール75mgを1日3回~アスピリン325mg/ジピリダモール75mgを1日3回となっていた。

 追跡期間は10日から6.7年まで幅広かった。

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