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JAMA誌から
ICD植え込み術を非専門医が行うと合併症が増える
胸部外科医が行った場合の合併症発生リスクは1.4倍

 心臓電気生理学が専門ではない医師が植込み型除細動器ICD)の植え込み術を行うことについては議論がある。米国Yale大学医学部のJeptha P. Curtis氏らは、米国のICD登録のデータを分析し、ICD植え込み術の約3割が心臓電気生理学が専門ではない医師によって行われており、専門医以外によるICD植え込み術では院内合併症発生率が高いことを明らかにした。詳細はJAMA誌2009年4月22日/29日合併号に報告された。

 米国では、専門医不足から、非専門医によるICD植え込みが行われているが、非専門医が植え込みを行った場合の臨床転帰が専門医と同等かどうかは明らかではない。著者らは、担当医の差がアウトカムに差をもたらすとしたら、それが現れるのは植え込み術関連の合併症の発生率と、植え込む機器の選択ではないかと考え、植え込み術施行医の専門科と植え込み後の転帰の関係を調べる後ろ向きコホート研究を実施した。

 米国のICDレジストリに登録された症例を分析対象にした。2006年1月から07年6月の間にICDの植え込みを受けた患者を、施行医の専門科(心臓電気生理学を専門とする医師、電気生理学が専門ではない心臓専門医、胸部外科医、その他の分野を専門とする医師)に基づいて分けた。

 主要アウトカム評価指標は、植え込み術に関連した院内合併症の発生率と、CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)が適切に選択された患者の割合に設定。階層的ロジスティック回帰モデルを用いて医師の専門科とこれらアウトカムの関係を評価した。

 院内合併症としては、院内死亡、心停止、心穿孔、心臓弁の損傷、冠静脈解離、血胸、気胸、深部静脈炎、一過性脳虚血発作、脳卒中、心筋梗塞、心タンポナーデ、動静脈瘻という重い合併症と、薬物反応、伝導ブロック、血腫、リードの位置移動、末梢塞栓、表在性静脈炎、末梢神経損傷、ICD関連感染という軽い合併症を総合し比較した。

 CRT-Dの適用基準は、心電図のQRS幅が120msec以上、左室駆出分画が35%以下、NYHA分類でクラスIIIまたはIVとし、これを満たす患者のうち何人が実際にCRT-Dの植え込みを受けていたか調べた。

 レジストリに登録されていた患者のうち、18歳以下の患者や、ICD使用歴のある患者、試験期間中に植え込み術施行が10件未満だった医師が担当した患者などを除いた11万1293人を分析対象とした。これらの患者は、1062カ所の医療機関の2128人の医師の手により植え込み術を受けていた。医師の内訳は、1303人が心臓電気生理学専門医、614人が電気生理学は専門でない心臓医、66人が胸部外科医、145人がその他の専門医だった。

 植え込み術を担当した医師が、心臓電気生理専門医だった患者は7万8857人(70.9%)、電気生理が専門ではない心臓専門医だった患者は2万4399人(21.9%)、胸部外科専門医だった患者は1862人(1.7%)、それ以外を専門とする医師だった患者は6175人(5.5%)だった。

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