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JAMA誌から
米国でもA/H1N1の98.5%がタミフル耐性
感受性ウイルスと同様の感染能力と病原性を維持

 この冬、世界各国で、オセルタミビル(商品名:タミフル耐性A型インフルエンザ(A/H1N1)の感染が高率に見られている。

 米国疾病管理センター(CDC)のNila J. Dharan 氏らは、耐性ウイルスの感染が急増した2007~08年の流行期に報告された症例を対象に、オセルタミビル耐性ウイルス感染者と感受性ウイルス感染者の疫学情報や症状、臨床転帰などを比較。両群間に有意な差がないことを示した。また、08~09年流行期の中間集計として、2月19日までに268株中264株(98.5%)がオセルタミビル耐性を示したことも報告された。詳細は、JAMA誌電子版に2009年3月2日に掲載された。

 ノイラミニダーゼ阻害薬は、その薬剤設計からウイルスの耐性獲得は難しいと考えられてきた。実際に、1999年の発売以来、世界で流行するウイルスの中に耐性獲得株が見られる頻度は1%未満を維持してきた。しかし、07~08年の流行期に、米国でオセルタミビル耐性ウイルスの検出割合が上昇、08~09年流行期の始まりに行った調査の結果、耐性ウイルスがA/H1N1感染全体の90%を超える危険性が示唆されていた。

 07~08年流行期までは、耐性ウイルスはオセルタミビル投与を受けた患者からのみ分離されており、耐性ウイルスの人-人感染は報告がなかった。

 これまで感染患者が少なかったために、耐性ウイルスに感染した患者が、薬剤感受性を維持しているウイルス感染者と同様の臨床症状を示すのかどうかなどに関する情報はほとんどなかった。

 そこで著者らは、07~08年流行期にオセルタミビル耐性A/H1N1ウイルスに感染していた患者を分析し、耐性ウイルス感染の危険因子を同定しようと考えた。さらに、オセルタミビル感受性を維持していたA/H1N1感染者との間で、人口統計学的、疫学的特性と、臨床症状、重症度、臨床転機の比較を試みた。

 著者らは、現在進行中のインフルエンザウイルス株/薬剤耐性サーべイランスの一環として、07年9月30日から08年5月17日までと、08年9月28日から09年2月19日までの期間に、米国内の公衆衛生ラボで同定され、CDCに提出されたA/H1N1ウイルスを検査した。

 オセルタミビル耐性は、ノイラミニダーゼ阻害アッセイとDNA配列決定により検討した。

 07~08年流行期に耐性ウイルスに感染していることが判明した患者に電話でコンタクトし、人口統計学的特性、医療歴、流行期にインフルエンザワクチンを接種したか、インフルエンザの症状、家族の感染の有無などについて尋ねた。加えて、それらの患者のかかりつけ医療機関にも接触し、処方された薬剤、受診時の体温、流行期のワクチン接種の有無などについて情報を得た。

 対照群となるオセルタミビル感受性A/H1N1感染患者は、各州で無作為に選出した。マッチングは行わず、耐性ウイルス感染者1人につき1~4人の対照患者を選んだ。対照群の患者についても、耐性ウイルス感染者とそのかかりつけ医療機関に行ったと同様の方法で情報を収集した。

 主要アウトカム評価指標は、人口統計学的情報と疫学情報、臨床情報(症状、重症度、アウトカムなど)に設定。

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