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JAMA誌から
肥満妊婦では胎児の先天異常リスクが上昇
英国での系統的レビューとメタ分析の結果

 妊婦肥満は、妊婦自身と胎児の健康に大きく影響する。英国Newcastle大学のKatherine J. Stothard氏らは、系統的レビューとメタ分析を行い、妊娠中に肥満と判定された妊婦は、適正体重の妊婦に比べ、先天異常児を妊娠するリスクが高いことを明らかにした。過体重だが肥満には至らない妊婦には、有意なリスク上昇は認められなかった。詳細は、JAMA誌2009年2月11日号に報告された。

 妊婦の肥満と胎児の先天異常の関係を示した研究はこれまでに複数あった。著者らは、既存のデータを対象に系統的レビューとメタ分析を行い、妊婦の過体重または肥満と、様々な先天異常の関係を総合的に検討した。

 文献データベース(MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Scopus)に1966年1月から2008年5月までに登録された研究の中から、条件を満たすものを選出。関連するレビューの参照文献を対象とする検索も行った。

 妊娠中のいずれかの時点の体重とBMIが報告されており、先天異常をアウトカムに設定していた観察研究を選んだ。1944件の候補の中から39論文を系統的レビューの対象とし、うち18論文をメタ分析の対象とした。

 39論文は、ケースコントロール研究29件、コホート研究12件(1論文の中で、これらの両方を実施しているもの、また複数のケースコントロール研究を行っているものがあった)の結果を報告していた。

 試験設計、試験の質、登録された妊婦、先天異常の種類や、リスク推定に関するデータを抽出。先天異常の中で分析対象として最も多く取り上げられていたのは神経管欠損(22論文)で、2番目が心血管異常(14論文)だった。今回は、選出した論文が取り上げていた症例数が計150例以上となる先天異常について分析した。なお、いくつかの研究は、先天異常児の数に死産例や中絶例も含めていた。

 妊婦に推奨される適正体重、過体重、肥満を示すBMI値の範囲は、国により、また研究により多少異なっていた。多くの研究がBMI30以上を肥満に分類していた。

 適正BMIの妊婦に比べ、過体重または肥満の妊婦が先天異常児を妊娠するリスクを、プールしたオッズ比として求めた。リスク上昇が有意になったのは、以下のような先天異常だった。

 肥満妊婦の子どもがあらゆる神経管欠損を有するリスクは、適正BMI妊婦の2倍弱だった(オッズ比1.87、95%信頼区間1.62-2.15)、過体重妊婦のオッズ比も有意に高かった(1.20、1.04-1.38)が、trim and fill法により公表バイアスを補正すると、有意差は見られなくなった(1.12、0.98-1.28)。

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