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JAMA誌から
線維筋痛症の症状軽減に抗うつ薬が有効
18件の無作為化試験のメタ分析の結果

 線維筋痛症(Fibromyalgia Syndrome:FMS)の治療には抗うつ薬が用いられることが多いが、その有効性を評価するメタ分析は、2000年以降行われていない。そこで、独SaarbruckenクリニックのWinfried Hauser氏らは、2008年までに報告された無作為化試験のデータを対象にメタ分析を実施。抗うつ薬は、偽薬に比べて疼痛の軽減や睡眠障害の改善に有効であることを示す強力なエビデンスを得た。詳細は、JAMA誌2009年1月14日号に報告された。

 線維筋痛症(FMS)は慢性疼痛性疾患の1つで、北米と欧州の有病率は0.5~5.8%と報告されている。米リウマチ学会(ACR)は、慢性全身性の疼痛があり、全身に18カ所ある圧痛点のうち、11カ所以上に圧痛が認められる場合をFMSと定義している。だが、FMSが独立した疾患なのか、背景にある他の病気(炎症性関節疾患からうつ病まで)が一連の症状をもたらすのかについては議論がある。FSS (Functional Somatic Syndrome:日常生活を障害する身体的症状は認められるが器質的原因は不明)に分類されることもある。

 患者には、疼痛のほかに疲労感や睡眠障害など、身体的、精神的な症状が現れる。それらは日常生活を困難にし、健康関連QOLを下げる。FMSは治療コストの高い病気でもある。

 著者らは、既に治療に用いられている抗うつ薬のFMS関連症状に対する効果を明らかにし、個々の抗うつ薬の作用を比較するために、無作為化試験のメタ分析を実施した。

 データベース(MEDLINE、PsycINFO、Scopus、コクランライブラリ)に2008年8月までに登録された情報から、FMSに抗うつ薬を適用した研究を選出。それら論文やメタ分析、レビューの引用文献とEBMガイドラインからも情報を抽出した。

 分析対象となったのは、以下の条件を満たした無作為化試験だ。広く認められているFMS診断基準を適用しており、対照群には偽薬を投与、治療群には抗うつ薬(三環系と四環系の抗うつ薬:TCAs、選択的セロトニン再取り込み阻害薬:SSRIs、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬:SNRIs、モノアミン酸化酵素阻害薬;MAOIs)を投与。

 アウトカム評価指標は、疼痛、疲労感、睡眠障害、抑うつと健康関連QOLとし、可能な限りintention-to-treatデータを対象に分析した。

 多くのアウトカムが連続データであることから、有効性の指標にはエフェクトサイズ(加重平均差:WMDまたは標準化平均差:SMD。大きいほど偽薬に比べ有効性が高い)を用いた。

 18件の無作為化試験が条件を満たした。対照となった患者は1427人(年齢の中央値は47.0歳)。7件が女性のみを対象としていた。試験期間の中央値は8週間(4~28週)だった。

 TCAsに関する研究が7件(アミトリプチリン7件とノルトリプチリン1件)、MAOIsは3件(モクロベミドが2件、pirlindoleが1件)、SSRIsは6件(フルオキセチンが3件、シタロプラムが2件、パロキセチンが1件)、SNRIsは4件(デュロキセチンが3件、ミルナシプランが1件)だった。

 すべての試験でNSAIDsの投与が認められていた。

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