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JAMA誌から
糖尿病があると癌患者の死亡リスクが高まる
全死因死亡は糖尿病のない癌患者の1.4倍

 糖尿病は、乳癌、大腸癌、子宮内膜癌、肝臓癌、膵臓癌などの危険因子と見なされている。また、新規診断癌患者の糖尿病有病率は8~18%と高い。米国Johns Hopkins大学Bloomberg公衆衛生学部のBethany B. Barone氏らは、発症前に糖尿病があった患者となかった患者の全死因死亡を比較する系統的レビューとメタ分析を行い、糖尿病があるグループの死亡リスクは有意に高いことを明らかにした。詳細は、JAMA誌2008年12月17日号に報告された。

 著者らは、2008年5月15日までにMEDLINEとEMBASEに登録された文献と、それらが引用していた文献の中から、1型糖尿病と2型糖尿病の患者を対象とし、癌発症後の死亡について評価しており、最低3カ月の追跡を行っていた英語の論文を探した。

 検索でヒットした計7858件の中から、全死因死亡率または全生存率を報告していた48件の研究を系統的レビューの対象に選んだ。これら48件の不均質性は高かった。

 糖尿病の存在が生存に有意な利益を及ぼすと報告していた研究は1件もなかった。有意水準や影響の大きさを問わないとすれば、糖尿病と死亡リスク上昇の関係を示していた研究は32件、糖尿病と死亡リスク低下の関係を示していた研究は7件だった。

 これらの研究を対象に、帰無仮説「糖尿病患者が癌と診断されても過剰な死亡リスクは見られない」について、ノンパラメトリックなサイン検定を行い検証したところ、仮説は棄却された。

 次に、リスク推定(回帰モデルを用いて糖尿病とその後の死亡との関係を評価し、ハザード比または相対リスクなどを提示)と、推定の精度を示す95%信頼区間や標準偏差などが記載されている研究23件を対象に、メタ分析を実施した。

 癌診断前に糖尿病がなかった群に比べ、糖尿病があった群では、あらゆる癌の死亡のハザード比は1.41(95%信頼区間1.28-1.55)となった。有意な出版バイアスは認められなかったが、有意な不均質性が見られた。

 感度解析を行って結果の安定性を確認したところ、ハザード比はほとんど変化しなかった。

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