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JAMA誌から
ビタミンE、Cは中高年男性の癌リスクも下げない
Physicians' Health Study IIの分析結果

 をはじめとする慢性疾患の予防に役立つのではないか、と期待してビタミンを摂取している人が少なからず存在する。ビタミンECについては、米国人の半数が服用しているという。

 しかし近年、これらビタミンの健康への利益を否定する結果が相次いで報告されている。米Brigham and Women's HospitalのJ. Michael Gaziano氏らが行った大規模無作為化試験でも、ビタミンE、Cを長期にわたって服用しても、前立腺癌あらゆる癌のリスクは低減しないことが示された。詳細は、JAMA誌電子版に2008年12月9日に報告された。

 これまで、抗酸化作用を持つビタミンEやCは癌予防に役立つはず、といった希望的観測を、一部の観察研究の結果が支持してきた。これを確認するために無作為化試験が複数行われたが、一貫した結果は得られておらず、ビタミンと癌罹患の関係を扱うための十分なパワーを持った試験はほとんどなかった。

 著者らは、中高年男性に対する長期にわたるビタミンEとCの投与が健康に及ぼす影響を明確に知るために、無作為化二重盲検試験Physicians' Health Study II(PHS II)を実施した。先に報告された心血管イベントに関する分析では、ビタミンEとCに抑制効果なし、という結論が得られており(関連記事はこちら)、今回は前立腺癌とあらゆる癌に焦点を当ててデータを分析した。

 PHS IIは、米国で50歳以上の男性医師1万4641人(平均年齢64.3歳)を登録した。うち1307人(8.9%)に癌の既往があった。

 試験設計は、ビタミンE(400IU/隔日)または偽薬、ビタミンC(500mg/日)または偽薬、βカロテン(50mg/隔日)または偽薬、マルチビタミン(毎日使用)または偽薬、を組み合わせた2×2×2×2のfactorial designになっていた。

 βカロテンについては、2003年に利益なしという結果が報告されており、マルチビタミンについては、データ安全性監視委員会の勧告に基づいて現在も試験が続いている。

 ビタミンEとCに関する試験は1997年に開始され、2007年8月31日に治療と追跡が終了した。

 3656人がビタミンE+ビタミンCに、3656人がビタミンE+ビタミンCの偽薬に、3673人がビタミンEの偽薬+ビタミンCに、3653人がビタミンEの偽薬+ビタミンCの偽薬に割り付けられた。

 主要アウトカム評価指標は、前立腺癌とあらゆる癌(メラノーマ以外の皮膚癌を除く)に設定された。

 平均追跡期間は8年(中央値7.6年)、11万7711人-年の追跡となった。

 服薬遵守率を自己申告に基づいて評価したところ、与えられた薬剤の3分の2以上を服用していた男性の割合は、割り付けから4年の時点でビタミンE群の78%、偽薬群の77%(p=0.12)、追跡終了時にはそれぞれ72%と70%(p=0.004)になっていた。ビタミンC群では、4年時が介入群、偽薬群共に78%(p=0.99)、追跡終了時はいずれも71%(p=0.54)だった。

 割り付けられた薬剤以外に、1年間に31日以上にわたってビタミンEを使用した男性は、ビタミンE群3.2%、偽薬群3.1%(p>0.05で差なし)だった。同様に、割り付け薬以外にビタミンCを摂取していた人の割合は、ビタミンC群3.8%、偽薬群4.4%だった(p>0.05で差なし)。

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