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JAMA誌から
心血管疾患治療薬の後発品は先発品と臨床的に同等
米国でのメタ分析の結果

 心血管疾患治療薬の先発品後発品の臨床効果や安全性には差がないとするメタ分析の結果が、米Brigham and Women's HospitalのAaron S. Kesselheim氏らにより、JAMA誌2008年12月3日号に報告された。

 先発品と生物学的に同等である後発品は、薬剤費抑制に貢献すると期待されている。しかし、患者と医師の両方に、それらの臨床的同等性に対する懸念が存在する。特に、血漿濃度の中毒域と治療域が近接しており、治療有効域が狭い薬剤については、人々の不安は強い。

 日常生活において、「後発品は安全性と有効性において先発品に劣る可能性がある」という印象を与える情報に触れる機会が少なくないことも、冷静な判断を難しくしている。

 後発品の活性成分は先発品と化学的に同等だが、錠剤の色や形状、含まれる配合剤、製造工程の一部などが異なる可能性がある。米国では1984年のHatch-Waxman法成立以降、活性成分の生物学的同等性に基づいて後発品が承認されるようになった。

 後発品の利用拡大には、生物学的に同等であることは臨床的に同等であることを意味する、と考えてよいことを示す明確なエビデンスが必要だ。

 著者らは、後発品と先発品を心血管疾患の治療に適用して比較した研究を対象に、メタ分析を実施。それと共に、この問題を扱ったエディトリアルを対象に後発品に対する姿勢を調べた。心血管疾患を選んだのは、外来患者の薬剤費が高額な疾病の1つだからだ。

 文献データベース(MEDLINE、EMBASE、International Pharmaceutical Abstracts)に1984年~2008年8月に登録された研究を対象に、先発品1剤と1剤以上の後発品の有効性または安全性(バイタルサイン〔心拍、血圧、尿量など〕、臨床検査値〔INR:プロトロンビン時間国際標準化比、LDL、尿中電解質など〕、患者の合併症罹患または死亡、医療システムの利用など)をエンドポイントとして比較していた無作為化試験(RCT)と観察研究を探した。研究が行われた場所は問わないが、先発品として米国で承認を得ている薬剤を用いている研究に限定した。

 それぞれについて、試験設計、実施国(米国か米国外か)、参加者の数と特性、年齢、臨床エンドポイント、資金提供者などの情報を抽出。方法論的質も評価した。

 使用された薬剤は、治療域が広い(WTI)もの、狭い(NTI)ものの2群に分類した(NTIには、ワルファリンとクラスI抗不整脈薬、クラスII抗不整脈薬などが含まれる)。

 用いられた測定法やサンプルサイズ、エンドポイントがそれぞれ異なる研究の間で結果を統合するために、エフェクトサイズを求めた。エフェクトサイズは2群間の差を標準偏差で割ったもので、0.2未満なら両群間の差は「非常に小さい」、0.2~0.5なら差は「小さい」、0.5~0.8は「中程度」、0.8以上なら差は「大きい」と判定する。最初に個々の研究についてCohenのDエフェクトサイズを計算し、その後、全体の結果を統合した。

 さらに著者らは、対象となる研究が行われた時期の専門家の意見を知るために、心血管疾患の治療に後発品を使用することの適切性を論じたエディトリアルをMEDLILNEとEMBASEから抽出し、著者の後発品使用に対する姿勢を「否定的」「肯定的」「中立的」に分類した。

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