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JAMA誌から
COPDに吸入ステロイドを投与しても死亡率は下がらず
全死因死亡には有意差なく、肺炎リスクが上昇

 安定期COPD患者の管理に吸入ステロイド(ICS)を用いると、死亡率は減るのか。有害事象リスクの上昇はあるのか――。こうした問いに対して、これまでの研究では一貫した結果が得られていなかった。そこで、米Johns Hopkins大学のM. Bradley Drummond氏らが無作為化試験のメタ分析を行ったところ、ICS療法は安定期COPD患者の全死因死亡リスクを低減せず、肺炎リスクが有意に上昇することが明らかになった。詳細はJAMA誌2008年11月26日号に報告された。

 現在のところ、COPD患者の死亡率を低減できることが示されている方法は禁煙と酸素療法だけとなっている。このため、現在の治療は症状と合併症の軽減に焦点を当てている。

 米国および国際的なガイドラインは、FEV1(1秒量)が50%未満で増悪を繰り返すCOPD患者に対し、気管支拡張薬とICSの併用を推奨している。だが、ICSによる肺炎と骨折のリスク上昇を示唆する研究結果が複数報告されていた。

 そこで著者らは、安定期COPD患者に対するICS療法の死亡率と有害事象に対する影響について評価する系統的レビューとメタ分析を行った。

 文献データベースに2008年2月9日までに登録された二重盲検の無作為化比較試験の中から、40歳以上のCOPD患者を対象とし、6カ月以上(有害事象が表面化するためには6カ月以上の投与が必要と著者らは考えた)にわたるICS療法と、偽薬またはステロイド薬以外の薬剤の吸入療法を比較している研究を選出した。

 試験特性、全死因死亡、肺炎、骨折等に関する情報を抽出。研究間の不均質性はI2統計により評価した(I2が25~49%なら不均質性は低、50~74%なら中、75%以上なら高)。

 主要アウトカム評価指標は、治療開始から1年間の全死因死亡とした。2次エンドポイントは、肺炎、骨折と、6カ月時、2年時、3年時の死亡率に設定。

 条件を満たした無作為化研究は11件で、試験期間の平均は24カ月だった。参加者は1万4426人で、ベースラインのFEV1の平均は51%。ICSの用量の平均値はベクロメタゾン換算で930μg/日(250~4800μg/日)だった。

 方法論的質は良好。有意な出版バイアスは認められなかった。8件の試験が企業から資金提供を、すべての研究が業界から後援(薬剤の提供等)を受けていた。

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