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JAMA誌から
ビタミンE、Cに中高年男性の心血管疾患の予防効果なし
ビタミンE投与群では出血性脳卒中リスクが1.7倍に

 中高年男性がビタミンECを長期的に摂取しても、心血管イベントの抑制効果はない――。そんな無作為化試験の結果が、米Brigham and Women's HospitalのHoward D. Sesso氏らにより、JAMA誌2008年11月12日号に報告された。ビタミンEについては、長期的な摂取により出血性脳卒中リスクが1.74倍になることも明らかになった。

 近年、ビタミンEやCの利益を否定する無作為化試験の結果が相次いで報告されている。だが、長期にわたる試験はわずかで、また、男性を対象にビタミンCのみを投与して心血管疾患予防効果を調べた研究はこれまでなかった。

 そこで著者らは、Physicians' Health Study II(PHS II)を実施。この無作為化二重盲検試験は、ビタミンE(400IU/隔日)または偽薬、ビタミンC(500mg/日)または偽薬、βカロテン(50mg/隔日)または偽薬、マルチビタミン(毎日使用)または偽薬を組み合わせた2×2×2×2のfactrial designになっていた。βカロテンについては、2003年に利益なしという結果が報告されており、マルチビタミンについては、データ安全性監視委員会の勧告に基づいて現在も試験が続いている。

 ビタミンEとCに関する試験は1997年に開始され、2007年8月31日に治療と追跡が終了した。

 ベースラインで50歳以上だった1万4641人(平均年齢64.3歳)の米国人男性医師を登録。うち754人(5.1%)に心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中)既往があった。

 3656人がビタミンE+ビタミンCに、3659人がビタミンE+ビタミンCの偽薬に、3673人がビタミンEの偽薬+ビタミンCに、3653人がビタミンEの偽薬+ビタミンCの偽薬に割り付けられた。

 主要アウトカム評価指標は、主要な心血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死亡を合わせた複合エンドポイント)で、分析はintention-to-treatで行われた。

 平均追跡期間は8年だった。

 服薬遵守率を自己申告に基づいて評価したところ、70%超の男性が与えられた薬剤の3分の2以上を服用していた。

 割り付けられた薬剤以外に、1年間に31日以上にわたってビタミンEを使用した男性は、ビタミンE群3.2%、偽薬群3.1%だった(p>0.05で差なし)。同様に、割り付け薬以外にビタミンCを摂取していた人の割合は、ビタミンC群3.8%、偽薬群4.4%だった(p>0.05で差なし)。

 主要な心血管イベントは1245件発生していた。致死的または非致死的心筋梗塞は511件、致死的または非致死的脳卒中は464件、心血管死亡は509件だった。

 ビタミンEはイベント発生に影響を与えていなかった。主要な心血管イベント発生は、1000人-年当たりビタミンE投与群10.8件、偽薬群10.9件で、ハザード比は1.01(95%信頼区間0.90-1.13、p=0.86)。

 致死的または非致死的心筋梗塞のハザード比は0.90(0.75-1.07、p=0.22)、致死的または非致死的脳卒中は1.07(0.89-1.29、p=0.45)。心血管死亡が1.07(0.90-1.28、p=0.43)、全死因死亡は1.07(0.97-1.18、p=0.15)で、すべて有意差がなかった。

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