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JAMA誌から
非空腹時のTG値の上昇は脳梗塞リスクを予測する
デンマークの前向きコホート研究の結果

 非空腹時トリグリセリド(中性脂肪:TG)値の上昇に伴って脳梗塞のリスクが上昇することが、デンマーク人を対象とした前向きコホート研究の結果、明らかになった。デンマークHerlev病院のJacob J. Freiberg氏らが、JAMA誌2008年11月12日号に報告した。

 非空腹時TG値については、その上昇と虚血性心疾患リスクの間に強力な関係があることが、先頃行われた2件のコホート研究で見い出されている。非空腹時TG値が上昇している状態では、カイロミクロンと超低比重リポたんぱく質の分解により産生されるレムナントも増加している。レムナントの増加はアテローム性動脈硬化を引き起こすと考えられている。

 そこで著者らは、非空腹時TG値の上昇は、虚血性心疾患のみならず脳梗塞のリスクも高めるのではないか、と考え、1976年に開始され、2007年7月まで追跡が行われたCopenhagen City Heart Studyの参加者を対象として、非空腹時TG値の上昇と脳梗塞の関係を評価することにした。

 この試験の参加者のうち、非空腹時TGが測定されていた20~93歳の男女1万3956人(参加者全体の72%)を分析対象とした。6375人が男性、7581人が女性で、最高31年の追跡が行われていた。

 主要アウトカム評価指標は、脳梗塞の罹患率に設定された。

 加えて、Copenhagen City Heart Studyの参加者の一部を対象とする横断的研究も行った。対象は1991~1994年に受診した9637人。この期間の受診者は、非空腹時レムナントと血中脂質プロファイルの測定を受けていた。横断的研究では、脳卒中既往と非空腹時TG値、レムナントコレステロール値、その他の血中脂質量の関係を評価した。

 脂質降下薬の使用は、1976~1978年は0%、1981~1983年も0%、1991~1994年は1%、2001~2003年は2%と少なかった。

 前向き研究に登録された1万3956人のうち、1529人が脳梗塞を発症。脳梗塞の累積罹患率は、非空腹時TG値の上昇につれて増加した(ログランク検定のp<0.001)。

 最初に男性群について、多変量解析(飲酒、喫煙、高血圧、心房細動、脂質降下薬の使用で調整)を実施した。

 非空腹時TG値が89mg/dL未満の男性を参照群(905人中85人にイベントが発生)とすると、89~176mg/dL群の男性の多変量調整ハザード比は1.3(95%信頼区間0.8-1.9、3019人中351人にイベント発生)、177~265mg/dLでは1.6(1.0-2.5、1410人中189人にイベント発生)、266~353mg/dLでは1.5(0.9-2.7、545人中73人にイベント発生)、354~442mg/dLでは2.2(1.1-4.2、238人中40人にイベント発生)、443mg/dL以上では2.5(1.3-4.8、258人中41人にイベント発生)となった(傾向性のp<0.001)。

 女性でも同様に、89mg/dL未満を参照群(2210人中159人にイベント発生)として分析すると、ハザード比はそれぞれ、1.3(0.9-1.7、3987人中407人にイベント発生)、2.0(1.3-2.9、985人中135人にイベント発生)、1.4(0.7-2.9、241人中26人にイベント発生)、2.5(1.0-6.4、96人中13人にイベント発生)、3.8(1.3-11.1、62人中10人にイベント発生)となった(傾向性のp<0.001)。

 さらにBMIと糖尿病を加えて調整すると、関係はいくらか弱まったが、傾向性のp値は男性が0.05でボーダーライン、女性は0.01で引き続き有意だった。

 集団全体で、非空腹時TG89mg/dL上昇当たりの脳梗塞の多変量調整ハザード比を求めると、1.15(1.09-1.22)となった。

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