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JAMA誌から
一般メディアの医学報道に欠けている情報とは
企業からの資金提供の有無や薬剤一般名の記述が不十分

 ニュースメディアは、患者にとって、また医師にとっても最新医学研究を知るための重要な情報源となる。ゆえに、商業的なバイアスのない記事が求められる。製薬会社からの資金提供の有無に関する情報は、研究結果の正確な解釈を助けるし、薬剤の名称としては、一般名を用いた方が誤解を減らし選択の余地を広げる。しかし、実際にはこうした配慮が行われた記事は少ないことが明らかになった。米Harvard大学医学部のMichael Hochman氏らは、分析結果をJAMA誌2008年10月1日号に報告した。

 米国では、後発品の利用が可能であるにもかかわらず、必要性が明確でない先発品を選択することで浪費されている医療費が、年間90億ドルに上るという。こうした事態を改善するために、多くの専門誌は一般名での論文執筆を求めている。また、peer-reviewが行われる専門誌の多くは、研究資金源の明記を義務付けている。

 これら専門誌の努力が新聞報道などに反映されているかどうかを調べた研究はこれまでなかった。そこで著者らは、医薬品に関する研究が製薬会社から資金提供を受けている場合に、それが新聞記事に記述される頻度や、医薬品の名称として一般名が使用される頻度を分析した。さらに、新聞の編集者がこれらのポイントをどの程度重視しているかも調査した。

 対象となったのは、米国の新聞45紙(経済新聞でなく一般紙を選んだ。世界各国の主要な新聞記事を検索することができるLexis-Nexisデータベースを通じて検索)と、7つのオンラインニュースソース(ABC、CNN、Fox、Times、MSNBC、CBS、NPR)。

 製薬会社の資金を得て行われた薬物療法の研究で、論文がNEJM誌、JAMA誌、Lancet誌、Ann Intern Med誌、Arch Intern Med誌の5誌に2004年4月1日から2008年4月30日までに報告されたものに関する報道を探した。

 製薬会社から資金を得ていた研究は358件あった。条件を満たした研究は117件だった。117件の研究に基づく新聞報道は175件(うち158件がオリジナルの記事で17件は配信記事)、オンラインソースの報道は131件(29件がオリジナル、102件が配信)で、計306件の記事が見付かった。

 うち130件(42%、95%信頼区間37-48%)が、企業からの資金提供について記述していなかった。記述があった176件のうち、冒頭150語の中に資金源が記載されていたのは18%(13-25%)だけだった。

 新聞、オンラインソースの間で、資金源を明記していない報道の割合に差はなかった(43%と42%、p=0.88)。

 薬剤の名称として一般名と商品名を使用していた報道は、306件中277件。このうち38%(32-44%)は商品名しか用いていなかった。また、67%(61-73%)の記事は、使用された薬剤名の半数以上が商品名だった。

 一般名より商品名を多く使用していた報道の頻度は、新聞、オンラインソースの間で差はなかった(66%と69%、p=0.59)。

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