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JAMA誌から
多剤併用療法でHIV感染者の死亡率が大幅に減少
感染5年以内の集団では非感染者と差のないレベルに

 HIV感染者と一般集団を比較した超過死亡率を推測した結果、1996年の多剤併用療法HAART)導入以降、超過死亡率は大きく減少したこと、2004~06年には、性行為感染者の血清転換から5年間の超過死亡が、どの年代の感染者でもゼロになっていたことが明らかになった。英国Medical Research CouncilのKrishnan Bhaskaran氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年7月2日号に掲載された。

 HIV感染者の死亡率に関する最新の情報と正確な予測データは、HIV感染が医療ニーズに及ぼす影響の予想においても重要だ。治療が十分に受けられる国のHIV感染者の死亡率は、劇的に減少したといわれているが、一般集団と比較した超過死亡率はどの程度なのか。この点に興味を持った著者らは、HAART導入前に比べ、HIV感染者と非感染者の死亡率の差がどう変化したかを調べた。

 これまで、HIV感染期間で調整して、感染者と一般集団の死亡率を比較した研究はなかった。著者らは、感染からの期間の推測が可能だった大規模な集団を対象に分析を行うことにした。

 これを可能にしたのは、欧州10カ国と豪州、カナダのHIV抗体陽転例からなる23コホートを対象とする大規模な国際的協力研究CASCADE(Concerted Action on Seroconversion to AIDS and Death in Europe)のデータだった。登録者の中から、15歳以上で、性行為感染または注射薬物使用(IDU)によりHIVに曝露した人々を分析対象とした。

 一般集団の死亡率に関するデータは2007年7月にHuman Mortality Databaseから得た。HIV感染者グループと人口学的要因がマッチする一般集団のデータを抽出、予測される死亡率を計算し、感染者の死亡率と比較した。

 追跡期間は1981~2006年で、中央値は6.3年。2007年9月にプールしたデータを2008年3月に分析した。対象となったHIV感染者は1万6534人。血清転換時の年齢の中央値は29歳、血清転換の西暦年の中央値は1994年だった。HIV曝露の経路としては、男性間性交渉が57%、IDUが18%、異性間性交渉が24%だった。

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