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JAMA誌から
抑うつ症状と2型糖尿病は相互にリスクを高め合う
2型糖尿病患者は抑うつ症状の強まりを経験しやすい

 抑うつ症状がある人の2型糖尿病リスクは高く、反対に治療中の2型糖尿病患者は抑うつ症状の強まりを経験しやすいことが明らかになった。米国Johns Hopkins大学のSherita Hill Golden氏らは、同一コホートを対象にこれら2つの疾患の双方向性の関係を調べる初めての研究を行い、結果をJAMA誌2008年6月18日号に報告した。

 うつ症状が2型糖尿病の発生に関連していることを示す研究結果は複数ある。うつ症状があると、身体活動の低下や過食が起こりやすい上、神経内分泌系が活性化されたり炎症反応が生じるために、インスリン抵抗性が誘発される可能性があるからだ。逆に、糖尿病またはその合併症が、うつ症状を引き起こすかどうかについては、一貫した結果は得られていない。ただし、糖尿病患者で臨床的なうつ、抑うつ症状の強まりが見られる頻度は高い。

 そこで著者らは、うつ症状と2型糖尿病の双方向の関係を調べることにした。対象にしたのは、無症候性の心血管疾患の有病率や危険因子などを人種間(白人、黒人、ヒスパニック、中国人)で比較した多施設コホート研究(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis研究)の被験者。米国在住の45~84歳の男女6814人を2000~2002年に登録し、2004~2005年まで追跡したものだ。

 今回は以下の2通りの分析を実施した。

 分析1:ベースラインで2型糖尿病ではなかった5201人の患者を、抑うつ症状ありグループ(911人)となしグループ(4290人)に分け、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて3.2年間の2型糖尿病罹患のハザード比を求めた。調整に加える交絡因子候補を段階的に増やすモデル1-6を作製し、抑うつ症状の存在が危険因子として独立しているかどうか評価した。

 分析2:ベースラインで抑うつ症状がなかった4847人を空腹時血糖値に基づいて分類。空腹時血糖正常(100mg/dL、2868人)、空腹時血糖異常(100~125mg/dL、1357人)、未治療の2型糖尿病(126mg/dL以上、203人)、治療中の2型糖尿病(417人)の4群に分け、3.1年間のうつ症状の累積罹患率を求めて、抑うつ症状の強まり発生のオッズ比をロジスティック回帰分析により推測した。やはり交絡因子候補を段階的に加えて多変量モデルを作製した。

 うつ症状については、疫学的うつ病評価尺度(CES-D)のスコアが16以上と/または抗うつ薬使用を抑うつ症状ありと定義した。CES-Dは20項目からなる質問票で、一般集団のうつ症状を評価する目的に使用されている。得点可能範囲は0~60ポイントで、16ポイント以上が抑うつ傾向となる。

 ベースラインでは抑うつが見られなかった患者が、追跡期間中に抑うつ症状ありの基準を満たした場合を、「抑うつ症状の強まりあり」と定義した。

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