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JAMA誌から
グループホームの照明を明るくすると認知機能が改善
メラトニンは光と併用でのみ推奨

 高齢の認知症患者のグループホームに設置されている照明を、概日リズムを調整できるレベルまで明るくすると、認知機能、気分、行動、活動制限、睡眠などの問題に、ささやかではあるが好ましい影響が及ぶことが示された。オランダの王立オランダ科学アカデミーのRixt F. Riemersma-van der Lek氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年6月11日号に掲載された。

 著者らは、認知機能や睡眠などと概日リズムの間に関係が示されていることから、リズム調整作用を持つ明るい光とメラトニンが症状軽減に役立つのではないかと考えた。そして光とメラトニンをそれぞれ単独で、または併用した場合に、認知症およびそれ以外の症状の進行に影響が見られるかどうかを調べる多施設無作為化試験を行った。

 長期的な二重盲検試験は、1999~2004年に、オランダ国内の12のグループケア施設に入所している189人を対象に行われた。平均年齢は85.8歳。90%が女性で87%が認知症(DSM-IVに基づく診断)だった。

 施設を明るい光(±1000ルクス、6施設、被験者数は98人)、または、対照となる暗めの光(±300ルクス、6施設、91人)に無作為に割り付けた。照明は9時から18時まで用いられた。また、全被験者をメラトニン(2.5mg、95人)またはプラセボ(94人)に割り付け、就寝の約1時間前に投与する治療を平均15カ月間(最大で3.5年)継続した。

 主要アウトカム評価指標は、認知面の症状とそれ以外の症状、日常活動の制限、有害事象の標準化スコアに設定、6カ月ごとにデータを収集し、混合効果モデルを用いて回帰分析を行った。

 その結果、明るい光は試験期間中の認知機能の低下を小さくした。Mini-Mental State Examination(認知機能の指標)では平均0.9ポイント(P=0.04)の差が見られた。相対差にすると5%となった。さらに光は、Cornell Scale for Depression in Dementia(CSDD、気分の指標)に基づくうつ症状を1.5ポイント(P=0.02、相対差は19%)改善した。加えて光は、活動制限が増えていくことを継続的に抑制した。

 手首にアクティグラフ(活動量測定装置)を装着、睡眠の状態を評価した結果、光は睡眠時間を1年当たり10分(P=0.04、相対差2分)延長したが、メラトニンは27分(P=0.004、相対差6%)延長した。ただし、これらを併用しても有意な睡眠時間延長は見られなかった。メラトニンは入眠遅延を8.2分(P=0.02、相対差19%)短縮した。

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