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JAMA誌から
注意欠陥多動性障害にセントジョーンズワートは無効
6~17歳の患者を対象にした無作為化試験の結果

 青少年の注意欠陥多動性障害ADHD)患者を対象に、生薬であるセントジョーンズワートセイヨウオトギリソウ)の有効性と安全性を調べる初の無作為化比較試験の結果、すべての評価において、介入群とプラセボ群の間に有意差を見いだすことができなかった。米Bastyr大学のWendy Weber氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年6月11日号に掲載された。

 ADHDの患者の60~70%に中枢神経刺激薬が有効だが、中枢刺激薬に反応しない患者や、副作用によってそれらを使用できない患者は、代替薬や補完的な治療が必要になる。実際に米国では、生薬の一つであるセントジョーンズワート(Hypericum perforatumSt John's Wort)、エキナセア、イチョウ葉エキスが小児のADHD治療に広く用いられている。

 セントジョーンズワートは、セロトニン、ノルエピネフリン、ドーパミンの再吸収を妨げると報告されており、うつ病治療薬としての有効性と安全性が評価されてきたが、一貫した結果は得られていない。同様の作用を持つ薬剤のブプロピオンは、世界のいくつかの国で青少年のADHDの治療に用いられている。しかし米国ではADHDは適応ではない。そこで著者らは、ブプロピオンの代わりにセントジョーンズワートが小児患者に利益をもたらすのではないかと考え、これを確認するための小規模無作為化試験を実施した。

 2重盲検試験は、2005年3月から2006年8月に同大学で行われた。DSM-IVに基づいてADHDと診断された6~17歳の患者54人を無作為に、セントジョーンズワート(300mg、ヒペリジン0.3%含有)を1日3回8週間投与(27人)、またはプラセボ(27人)に割り付けた。試験期間中はそれ以外のADHD治療薬の使用を許可しなかった。割り付けられた薬剤の服薬遵守率は82.0%(95%信頼区間77.5から96.4)だった。

 主要アウトカム評価指標は、ADHD Rating Scale-IV(ADHD RS-IV、0-54ポイント)と臨床全般印象度-改善度(GCI-I、0-7ポイント)、そして有害事象に設定。分析はintention-to-treatで行った。

 ベースラインから8週目までのADHD RS-IVのスコアの変化を、介入群とプラセボ群の間で比較しても、有意差は見られなかった。スコア総計は、介入群で4.4ポイント、プラセボ群は5.2ポイント、それぞれ改善した。

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