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JAMA誌から
16~17歳の献血は合併症リスクが高い
軽症の有害事象でも再度の献血を妨げる

2008/06/12
大西 淳子=医学ジャーナリスト

 米国赤十字社に提供される全血のうち、約8%が未成年(16歳と17歳)から提供されているが、若い世代の初回献血は、供血関連合併症の独立した危険因子であることが知られている。米国の血液センターのヘモビジランスプログラムを利用して、16歳と17歳が全血献血を行った際に発生した有害事象を18歳以上の場合と比較した結果、16~17歳の10.7%に何らかの合併症が見られること、多くは軽症だが失神、転倒して外傷を負うケースも1万回当たり5.9件生じており、たとえ軽症であっても合併症を経験すると1年以内に再度献血する頻度は大きく低下することが明らかになった。詳細は、JAMA誌2008年5月21日号に報告された。

 米国では成人で献血のドナーとして適切な人の割合は38%にまで落ち込んでおり、米国の血液センターにとって、必要な量の安全な血液を確保することは年々難しくなっている。一方で輸血の必要性は高まっており、その対策の一つが、献血可能な年齢の引き下げだった。親の同意を得た16歳と17歳からの献血を認めている州、17歳については親の同意なしの献血も認めている州が増えている。16歳の献血に親の同意は不要とする州も、既に2つある。

 ただし、より若い献血者で有害事象が増加する危険性がある。そこで著者らは、未成年の献血で引き起こされる有害事象について調べることにした。血液センターのヘモビジランスプログラムは、全血献血後の合併症と外傷の報告について前向きに評価している。

 16歳と17歳からの献血を日常的に受け付けている米国9カ所の赤十字血液センターの2006年のデータを調べ、以下のような合併症を抽出した。
・失神前症状(軽症の合併症で、顔面蒼白、発汗、意識喪失のない立ちくらみなどを示す)
・短時間の意識喪失(継続が1分未満で軽症)
・意識の持続的な喪失(重症、1分以上継続または排泄のコントロールを失い、痙攣発作を合併する)
・回復の遅れ(意識の有無にかかわらず失神前症状が30分以内に消失しない)
・穿刺関連の合併症(小さな血腫から神経損傷、動脈穿刺など)

 主要アウトカム評価指標は、献血1万回当たりの全身性の失神合併症と穿刺関連合併症の頻度に設定した。

 2006年には、血液センター9施設の合計で、16歳と17歳の献血が14万5678件あった。献血者全体に占める割合は16歳が2.5%、17歳が5.7%で、計8.2%だった。16歳と17歳の献血の80%が、血液センターが高校で行う献血運動において提供されていた。

 18歳と19歳の献血は11万3307件、20歳以上の献血は151万7460件だった。

 合併症はそれぞれ、1万5632件(10.7%)、9359件(8.3%)、4万2987件(2.8%)。最も多かったのは、失神前状態(それぞれ1万回当たり894.8件、683.1件、198.7件)、次に多かったのは、小さな血腫(1万回当たり118.5件、105.0件、74.6件)だった。

 全身性の失神型合併症の発生率は、年齢と逆相関していた。16歳と17歳では1万回当たり53.1件で、18歳と19歳の1万回当たり33.4件と比較したオッズ比は1.59(1.41-1.80)。20歳以上のドナーの1万回当たり8.0件と比較するとオッズ比は6.65(6.08-7.28)となった。

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