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JAMA誌から
マンモと超音波の併用は診断率を高めるが疑陽性率も高まる
1000人当たり4.2人の乳癌を追加検出可能

2008/06/05
大西 淳子=医学ジャーナリスト

 超音波検査を併用した場合に費用対効果がより大きいと期待されるハイリスク女性を対象に、マンモグラフィーと超音波検査併用の利益を調べた結果、1000人当たり4.2人の乳癌を追加検出できること、しかし疑陽性率も高まることが示された。米国Johns Hopkins Green Spring病院のWendie A. Berg氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年5月14日号に報告された。

 マンモグラフィーによる検査は、乳癌による死亡を減らすことが明らかになっているが、リンパ節や全身性の転移を起こす危険性のある浸潤性の癌で石灰化を示さないものは検出が難しい。また、乳腺密度が均一でない、または乳腺密度が濃い場合には、マンモの検出感度は下がる。それらに超音波検査を追加すれば、検出力は高まると考えられる。

 著者らは、乳癌リスクが高い女性を対象に、超音波とマンモグラフィーをそれぞれ単独で用いた場合と、併用した場合のスクリーニング能力と診断率(スクリーニング陽性例に占める確定診断陽性例の割合)を比較した。

 2004年4月から2006年2月まで、定期的なマンモグラフィー検査を受けるために21の医療機関を受診した25歳以上女性のうち、乳癌リスクが高い女性2725人(平均年齢55歳)を登録した。

 ハイリスク者は、危険因子(乳癌既往、GailまたはClausのモデルを用いて推算した生涯リスクが25%以上、Gailの5年リスクが2.5%以上、Gailの5年リスクが1.7%以上で乳腺密度が極めて高い、異型乳管過形成(ADH)/異型乳管過形成 (ALH)/ 非浸潤性小葉癌(LCIS)/異型乳頭種のいずれかが存在、BRCA1またはBRCA2遺伝子の変異、胸部/縦隔/腋下への放射線照射歴など)を有し、過去に行われたマンモで、乳房密度が不均一な、または極めて密度の高い組織が四分円の一つ、またはそれ以上に認められたケースとした。乳癌の徴候や症状がある女性は除いた。

 2712人にマンモ(フィルムマンモまたはデジタルマンモ)と医師による超音波検査を行った。1340人が最初にマンモ、次に超音波検査を受け、1372人が最初に超音波検査、次にマンモを受けた。

 超音波検査に要した時間の中央値は、両乳房のスキャンで19分、片方では9分だった。

 いずれの診断結果も、Breast Imaging Reporting and Data System(BI-RADS)に基づいて7段階に分類し、これに基づいて被験者には、通常通り年1回のマンモ、6カ月後のマンモ、画像診断の追加実施、生検のいずれかを勧告した。

 癌の診断は、スクリーニングから365日以内の生検と臨床的な追跡の結果を組み合わせたものとした。2637人(96.8%)について診断結果が入手できた。

 分析対象になったのは2637人(乳房数は4786)。40人(1.5%)(乳房数は41)が1年以内に癌と診断された。うち39人が乳癌で、1人はメラノーマの腋下転移が発見された(乳房には癌なし)。6人が非浸潤性乳管癌(DCIS)、20人が浸潤性乳管癌(IDC)、3人が浸潤性小葉癌で、10人については浸潤性の乳管と小葉の癌の混在が認められた。IDCの患者の1人は対側乳房にDCISが見付かった。浸潤性の癌の直径の中央値は12mm、平均は14mmだった。腋下リンパ節の検査は浸潤性乳癌患者25人に行われ、転移陽性は5人だった。

 マンモで検出された乳癌患者は20人(50%)。診断率は1000人当たり7.6(2637人中20人)だった。DCISは、6人中5人(83%)がマンモのみ陽性判定が可能だった。浸潤性乳癌患者のうち15人がマンモで検出できた(直径の中央値は12mm)。浸潤性乳癌で腋下リンパ節の評価が行われていたのは10人、うち7人(70%)が陰性だった。マンモで検出された浸潤性乳癌患者のうち7人はマンモのみ、8人は超音波検査とマンモの両方で癌が疑われていた。

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