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エベロリムス溶出ステントは内径損失と重大な心有害事象が少ない
パクリタキセル溶出ステントと比較したSPIRIT III試験の結果(5/16 訂正)

 エベロリムス溶出ステントパクリタキセル溶出ステントの有効性と安全性を比較する大規模な前向き単盲検試験SPIRIT IIIの結果、エベロリムス溶出ステントの方が内径損失と有害な心イベントは有意に少なく、標的血管不全の発生率については非劣性であることが示された。米国Columbia大学医療センターのGregg W. Stone氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年4月23/30日号に掲載された。

 エベロリムスは、半合成のマクロライド系免疫抑制剤で、ラパマイシンのアナログだ。エベロリムスを溶出する高耐久性フルオロポリマーでコートしたコバルトクロム合金製ステントは、予備的な研究において、シロリムス溶出ステント、パクリタキセル溶出ステントに比べ内皮化が早いと報告されている。欧州で行われた小規模な研究と中規模な試験では、冠動脈疾患患者の臨床転帰と血管造影の結果を向上させることが示されている。

 著者らは、広く適用されているパクリタキセル溶出ステントとエベロリムス溶出ステントの安全性と有効性を比較するSPIRIT IIIを実施した。米国内の大学病院と地域病院65施設で、2005年6月22日から2006年3月15日に、経皮的冠インターベンションを受ける男女1002人を登録。de novo病変が1または2カ所で、病変部の長さは28mm以下、参照血管の直径は2.5~3.75mm(米国でパクリタキセル溶出ステントの適応として承認されているサイズ)を登録の条件とした。

 患者を無作為にエベロリムス溶出ステント(669人、平均年齢63.2歳)またはパクリタキセル溶出ステント(333人、62.8歳)に割り付けた。登録が早かった順に564人の患者に対して8カ月時に血管造影を計画していたが、実際には436人の患者に血管造影を行った。臨床的な評価は1カ月、6カ月、9カ月、12カ月時に実施した。

 主要アウトカム評価指標は、8カ月時の血管造影による病変内の内径損失とし、これを指標とする非劣性または優越性の検証を試みた。非劣性のマージンは、「片側検定で両群間の差の97.5%信頼区間が0.195mmを超えない」と設定した。非劣性が確認された場合に、優越性について評価することにした。

 2次エンドポイントは、9カ月時の標的血管不全(心臓死、心筋梗塞、虚血による標的血管血行再建術の再施行を合わせたもの)の発生率とした。非劣性のマージンは、「片側検定で両群間の差の95%信頼区間が5.5%を超えない」とした。

 8カ月時の病変内内径損失は、エベロリムス溶出ステント群(301病変)で、パクリタキセル溶出ステント群(134病変)に比べ有意に少なかった。平均は0.14mmと0.28mm、差は-0.14(95%信頼区間-0.23から-0.05)。非劣性のP≦0.001で、優越性のP=0.004となった。

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