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JAMA誌から
入院時のMRSA検査を徹底しても院内感染は減らず
待機的手術を受けるハイリスク患者対象の検査が効率的

 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA)の院内感染を減らすことを目的に、通常の管理に加えて、入院時に患者全員を対象としたスクリーニングを行う戦略は有効なのだろうか。この有効性を調べる初めての無作為化試験において、入院時のMRSA検査を徹底しても外科病棟の院内感染の有意な減少を示すことができなかった。スイスGeneva大学のStephan Harbarth氏らは、詳細は、JAMA誌2008年3月12日号に報告された。

 入院時のMRSAスクリーニングの影響を調べた最大規模の前向きコホート研究は、Geneva大学病院の外科病棟で行われた。対象となったのは、8つの専門科(腹部外科、整形外科、泌尿器外科、神経外科、心血管外科、胸部外科、形成外科、臓器移植科)が使用していた12区画に、24時間以上入院した患者2万1754人。

 MRSA管理法として、標準的な感染管理のみ(対照群)と、これに入院時の迅速なスクリーニングを加えた戦略(介入群)を実施し、院内感染発生率への影響を調べた。介入群の患者は、入院前または入院時に多重PCRによるMRSA迅速検査を受けた。この検査の感度は96%、特異性は91%と報告されている。標本は鼻前庭と会陰、必要であればその他の部位(カテーテル挿入部位、皮膚病変、尿など)から採取した。

 標準的な感染管理法は、感染者の接触隔離、感染防御のための衣類(ガウン、グローブ、マスクなど)の着用、感染者に対する周術期の抗菌薬予防的投与、コンピューターを利用したMRSA警告システム、周術期5日間の局所的な除菌(ムピロシン鼻腔用軟膏とクロルヘキシジンによる清拭)などからなる。

 第1期は2004年10月から2005年6月で、整形外科、神経外科、形成外科、心血管外科、胸部外科の入院患者を介入群とし、迅速検査を実施。それ以外の専門科の患者を対照群とした。

 第1期終了後、2カ月のウォッシュアウト期間を経て、2005年9月から2006年5月までをクロスオーバー期間とした。第1期に介入群となった専門科に入院した患者を対照群とし、対照群だった専門科を介入群として迅速検査を実施した。

 2004年7月から2006年5月までに入院した2万1754人の患者のうち1万844人が介入群、1万910人が対照群となった。

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