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JAMA誌から
心脳蘇生で院外心停止者の生存退院率が有意に向上
ガイドラインに沿った2次救命処置の3倍に

 心マッサージ胸骨圧迫)の中断を最小にする心脳蘇生MICR)の有効性を示すデータが蓄積されつつある。今回、2000年のAHAガイドラインに沿った2次救命処置とMICRを比較した結果、院外心停止者にMICRを適用すると生存退院率が3倍になることが示された。米国Mayo ClinicのBentley J. Bobrow氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年3月12日号に掲載された。

 米国Arizona大学が2003年に開発した心脳蘇生(MICR;Minimally Interrupted Cardiac Resuscitation)は、中断なしに胸骨圧迫を200回継続(1分間に100回の速度)、次にAEDによる心拍解析、必要なら1回のショックを施し、その後、波形の再解析を待たずに200回の胸骨圧迫、続いて波形解析、必要ならショック、を繰り返す方法。このサイクルの早い段階でエピネフリン1mgを静注し、気管内挿管は行わない、またはできるだけ遅く(3サイクルの胸部圧迫と心拍解析の後)行うことになっている。早期の、または過剰な陽圧換気は極力避けるよう求める方法だ。

 著者らはまず、アリゾナ州の2都市で、消防局の救急医療スタッフにMICR訓練が行われる前後の院外心停止者のアウトカムを比較する前向き研究を実施した。次に、2都市の2消防署を含むアリゾナ州内62の消防署の管轄地域で、実際にプロトコルに遵守したMICRが適用された院外心停止者と、標準的な2次救命処置を受けた患者を比較した。プロトコル遵守は、1)AED前の200回の胸骨圧迫、2)ショック後の200回の胸骨圧迫、3)これを3回繰り返すまで気管内挿管を行わない、4)最初の、または2回目のサイクルで、エピネフリンを投与―のすべてを行うとした。

 試験は、2005年1月1日から2007年11月22日まで行われた。主要アウトカム評価指標は生存退院とし、2次アウトカム評価指標は生存者の神経学的アウトカム(CPC:Cerebral Performance Categoriesスコアによる)、自発循環の再開、生存入院に設定した。

 2都市で心停止を起こし、条件を満たした886人が分析対象となった。218人がMICR訓練前、668人がMICR訓練後の患者だった。年齢、性別、心停止を起こした場所、AEDが有効な患者か否か、派遣要請から救急医療スタッフ到着までの時間などには差はなかった。

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