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アンドロゲン抑制療法と放射線治療の併用は有効か
併存疾患がない、または軽症の場合は有効

 前立腺癌患者へのアンドロゲン抑制療法AST)と放射線外部照射RT)の併用と、治療開始前の併存疾患の程度との関係を調べた結果、併存疾患がない、あるいは併存疾患が軽症の場合に、併用群の全死因死亡リスクが有意に下がることが示された。米国Brigham and Women's HospitalのAnthony V. D’Amico氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年1月23日号に掲載された。

 RT/AST併用は、局所進行前立腺癌と、癌は局所に留まるがハイリスクの前立腺癌に対する標準治療になっている。複数の無作為化試験で、RT/AST併用で、全死因死亡と/または前立腺癌による死亡のリスクが減少することが示されている。しかし一方で、ASTが高齢男性の致死的または非致死的な心血管イベントリスク上昇を引き起こすという報告もあった。高齢者の併存疾患保有率は高く、これがASTのネガティブな影響を増す可能性がある。そこで著者らは、ASTの利益は併存疾患の程度によって異なる可能性があると考えた。

 試験は、前立腺癌患者を6カ月間のRT/AST併用群とRTのみ群に割り付けて、併存疾患のレベルと全死因死亡の関係を調べた。試験は、学究的な病院と地域の医療センターで、1995年12月1日から2001年4月15日まで、前立腺癌男性206人(年齢の中央値は72.5歳)を登録した。

 これらの患者は、AJCCの病期分類ではT1b-T2b N0M0で、癌は局所に留まるが、好ましくない予後予測因子(PSA値が10ng/mL超、生検標本のGleasonスコアが7-10、被膜外浸潤あり、精嚢浸潤あり)を1つ以上保有し、前立腺癌死亡の可能性を除いて余命は10年以上と予測された患者だ。

 無作為にRT(3次元等角外照射)のみ(104人)、または、RT/AST(黄体形成ホルモン放出ホルモン拮抗薬(LHRH拮抗薬)と抗アンドロゲン薬フルタミド)併用(102人)に割り付けた。

 今回用いられた併存疾患尺度はACE-27。これは、癌患者の併存疾患を評価するツールで、Kaplan-Feinstein指標に修飾を加えたものだ。個々の臓器の機能不全と予後への影響の大きさに基づいて、各併存疾患の重症度を4段階(グレード0:影響なし、1:軽症、2:中症、3:重症)に分類した。複数の疾患がある場合には、最高値を総合スコアとした。また、グレード2が2つ以上存在する場合には、総合判定はスコア3とした。

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